13話 ページ13
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「あらっ!!!
テヒョンちゃん!!
今日も可愛いわね、これ持ってきなさい!」
「テヒョン君!これも!!
うちで取れた柿!甘くて美味しいわよ!」
「きゃぁあ!!
テヒョン君、これうちの娘なんだけど、あなたさえ良ければうちにお婿にこないっ!?!?」
い、勢いがすごい。
テヒョンを連れて村に足を踏み入れた瞬間、一気に私たち…いや、テヒョンを取り囲むおばさま方。
弾き出された私はポツンとその様を見つめる。
「ひひ、ありがとー。」
突然大勢から話しかけられて、戸惑いつつもにこにこ笑顔を作るテヒョンに、こりゃ可愛がられるなぁなんて、おばさま達の気持ちを理解する。
『大丈夫?持てる?』
「もて…るっ!」
おばさま方に大量のお裾分けをもらい、一気に荷物が多くなってしまった。
ぱんぱんの袋を持って、少し足取りがふらついてるテヒョンを見て笑う。
「あ!!A先生だ!!」
「本当だ!ジョングク!A先生がいるよ!!」
『皆、こんにちは。」
私たちを見つけて走り寄ってきたのは、村の子ども達。
私に挨拶をしてくれた後、隣にいるテヒョンに気が付いて、女の子たちの顔は一気に赤く染まる。
「!!!
せ、先生!!この人、誰!?」
『あー、この人はねー』
「Aせんせーのこいびとだよ。」
「やっぱりー!!!」
『ちょ、テヒョン!!違うでしょ!!』
テヒョンの一言のせいで、さらに盛り上がってしまう子どもたち。
「ジョングク残念だったねー。先生のこと好きだったのに。」
「おい!!」
『え?』
女の子にからかわれて、顔を赤く染めるのは、こないだ風邪で診察に来ていた男の子。
可愛らしい真ん丸の瞳を潤ませて、私のことをじっと見つめる。
「本当なの?」
『ん?』
「本当に、この人が先生の彼氏なの?」
か、かわいいっ!!!
恥ずかしいのか、少し怒ったような顔で問いかけるジョングク君は、ふにゃふにゃと癒されている私に気が付いたのか、ぐっと私の手を引く。
「俺、あと10年経ったら先生と結婚できるから、それまでまっててよ。」
『なっ』
子どもだと思って油断していた。
直球ドストレートすぎる8歳の彼の言葉に、胸を撃ち抜かれてしまった。
周りの子供たちは、プロポーズだ!!とはしゃぎまくっている。
「だめだよ。」
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つきこ(プロフ) - テヒョンのソロアルバム聴きながら読みました😭せつないけど最高のお話でした✨ (11月12日 20時) (レス) @page27 id: 449ba1617b (このIDを非表示/違反報告)
あいし(プロフ) - あかん。ほんまに泣ける😿 (2023年1月27日 15時) (レス) @page27 id: 6ccfb19ab8 (このIDを非表示/違反報告)
murasaki5027(プロフ) - 番外編、続編希望です!! (2022年5月26日 18時) (レス) @page26 id: 1f714ed38e (このIDを非表示/違反報告)
わたし。(プロフ) - このテヒョン、妄想ですがドタイプです!!!! (2021年4月22日 0時) (レス) id: 373e34b3f9 (このIDを非表示/違反報告)
ジョングガ - ミロさんの物語ほんとにLOVEすぎて困る、どの作品見てもいいわぁってなるし最高!面白かったりする話でも最後は泣ける話だったりして毎回楽しませてもらってます。本当に小説化して欲しいくらい笑これからも頑張ってください (2020年11月8日 1時) (レス) id: c6fa5ac741 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2019年10月14日 20時