私に出来ること ページ30
NJ「聞きたいことがあったら、なんでもどうぞ。」
『!』
うずうずしていた私に気づいたのか、カルテを書き終えた先生はくるりと椅子を回し、私と向き合ってくれる。
『あの…、
ジョングクの記憶障害は、治るものなんですか?』
一番聞きたかったこと。
彼の苦しみに、終わりがあるのかと言うこと。
NJ「正直言って、わからない。」
『…っ』
NJ「なにかをきっかけにして思い出す患者もいれば、ずっとこのままの場合もある。
ジョングクの場合、脳に異常はないから、いつ治ってもおかしくないし、反対に言えば、他に治療できることがない。」
『そう…ですか…』
楽観的になっていたわけじゃない。
軽く考えていたわけでもない。
だけど…、
NJ「…君は、ジョングクを大事に思ってくれてるんだね。」
『…う、…っ、だいじです…
彼は、とても優しい人だから…』
ボロボロに泣く私を見て、優しく頭を撫でてくれる先生に、ますます涙が出てきてしまう。
NJ「すごく仲が良く見えたから、昔からの知り合いかと思ったけれど…
彼と知り合ったのは最近?」
『…はい、』
NJ「そうか。
すごいね、君は。」
『…え?』
顔を上げて先生の顔を見ると、またあの優しい笑顔を浮かべていた。
NJ「なんでもないよ。
…覚えていてほしいのが、ジョングクが忘れるのは、自分が経験した出来事。つまりエピソードの記憶だけ。だから、体で覚えたことは忘れないし、日常生活を送る分には問題ないんだ。」
『…でも、』
NJ「もちろん、人より生きにくいことは確かだよ。…だけど、出来ないことより出来ることの方が多い。
だから、彼を支えようと頑張る必要はない。
ただ、そばにいてくれることほどジョングクにとって心強いことはないよ。」
『…っ』
そうか。
そうだよね。
『…ありがとうございます。
私、今道が拓けた気がします。』
NJ「それはよかった。」
先生のおかげで、自分のやるべきことがわかった気がする。
JK「ちょっと。」
『!
ジョングク!?』
ふわりと後ろから抱きすくめられ、驚いて振り返ると、いつのまにやら戻ってきたらしいジョングクが威嚇しきった表情でナムジュン先生をじっと見ていた。
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しから - 泣きました、ありがとうございます!まだ読んでいる途中ですが、大好きな作品です!コメント、読んで頂けると嬉しいです‥! (2021年11月12日 21時) (レス) @page32 id: b67168fa9e (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - あ。さん» あ。様 初コメとっても嬉しいです!(*^^*)このお話はちょっと悲しいですよね( ; ; )続きも切なくなりそうですが、うまく書けるように頑張りますね(*^_^*)応援ありがとうございます!!気合い入りましたっ!!2章もどうぞよろしくお願いします! (2019年9月29日 19時) (レス) id: 1aa4b97c0a (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - eriさん» eri様 コメントいただきありがとうございます!とても嬉しいです(*^^*)他のお話も読んでくださったのですね。このお話は少しタイプが違うので不安でしたが、そう言っていただけてとても安心しましたっ!少しでも楽しんでいただけるよう、続きも頑張りますね!(о´∀`о) (2019年9月29日 19時) (レス) id: 1aa4b97c0a (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - ミホさん» 泣かせてしまってすみません…!!私も書きながら垂れ流してます!!(T ^ T)続きも頑張りますね!また覗いていただけると嬉しいです!!(^ ^) (2019年9月29日 19時) (レス) id: 1aa4b97c0a (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - さっちゃんさん» さっちゃん様 もう私さっちゃん様を待ってしまっている(笑)嬉しすぎるお言葉をありがとうございます!!そうなんです、すごく迷ってて( ; ; )どっちでも悲しいしあーもーどうしようかと!!迷う気持ちを持ちながら、2章ぶつかってくんで、どうぞ宜しくお願いします (2019年9月29日 19時) (レス) id: 1aa4b97c0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2019年9月12日 22時