失態【TH】 ページ37
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「…なんで。」
眼が覚めてすぐ。
俺のベッドに体を預けて眠るAの姿に気付き、一瞬頭を抱える。
「やべ、なんも覚えてない…。」
っていうか、頭痛い。
これ、完全二日酔いだよね。
ああ、でも少しずつ思い出してきた。
昨日はジミンと飲みに行ってて、モヤモヤしてた気持ちのせいでいつもより飲み過ぎて、それで…
そこからはどうやってこの家に帰ってきたかも覚えてないけど。
この状況を見る限り、やらかしたんだろうなぁ。
すやすやと気持ちよさそうに眠るAに視線を落とし、声をかけようとしたところで思いとどまる。
身を屈めて彼女の顔を覗き込むと、何度も見てきたあどけない寝顔に、心臓の奥がきゅっと締め付けられる。
『…ん、
あ、おきた?』
少し震えた瞼に、慌てて体を離すと、Aは俺の顔を見て少しホッとしたような表情を浮かべた。
TH「あの、さ。ごめん、俺昨日…」
『酒は飲んでも飲まれるな。』
TH「…はい。ごめんなさい。」
もー。と腕を組むAに頭を下げる。
『あと、学校行く前に目冷やした方がいいよ。』
TH「え!?」
『腫れてる。』
言われてみれば、確かに瞼がものすごく重い。
TH「え。俺もしかしてなんか言ってた?」
『…別に。
でもボロボロ泣いてましたけどね。』
TH「ええ!?えと、」
『どーせ理由聞いたって言わないだろうから聞かないけどさ。』
あたふたとする俺から目を逸らし、立ち上がって部屋を出て行ったA。
あー、ほんとに俺って馬鹿なのかな?
突き放したり、泣いてしまったり、こんなんほんとにかっこ悪い…。
これじゃ、きっとAも…
『私、テヒョンのこと嫌いになんてならないよ。』
TH「え…わ、つめた!」
呆れて部屋を出て行ったと思っていたAが、少し強引に濡れたおしぼりを俺の目に押し付ける。
『確かに、最初はムカついて、もうテヒョンの顔なんて見たくないと思ったけどさ。
でも、そういう気持ちってあんま持続しないもんだね。』
TH「A…?」
『私ね、もうテヒョンのことなんて全部忘れてしまえたらいいって思ってたの。
だけど、ジョングクに出会って、それは違うかなって思えた。
だって。私、テヒョンと付き合ってる時すごく幸せだったもん。
だからこそ苦しいこともあるけど、やっぱり大事にしたい。』
TH「…っ」
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しから - 泣きました、ありがとうございます!まだ読んでいる途中ですが、大好きな作品です!コメント、読んで頂けると嬉しいです‥! (2021年11月12日 21時) (レス) @page32 id: b67168fa9e (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - あ。さん» あ。様 初コメとっても嬉しいです!(*^^*)このお話はちょっと悲しいですよね( ; ; )続きも切なくなりそうですが、うまく書けるように頑張りますね(*^_^*)応援ありがとうございます!!気合い入りましたっ!!2章もどうぞよろしくお願いします! (2019年9月29日 19時) (レス) id: 1aa4b97c0a (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - eriさん» eri様 コメントいただきありがとうございます!とても嬉しいです(*^^*)他のお話も読んでくださったのですね。このお話は少しタイプが違うので不安でしたが、そう言っていただけてとても安心しましたっ!少しでも楽しんでいただけるよう、続きも頑張りますね!(о´∀`о) (2019年9月29日 19時) (レス) id: 1aa4b97c0a (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - ミホさん» 泣かせてしまってすみません…!!私も書きながら垂れ流してます!!(T ^ T)続きも頑張りますね!また覗いていただけると嬉しいです!!(^ ^) (2019年9月29日 19時) (レス) id: 1aa4b97c0a (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - さっちゃんさん» さっちゃん様 もう私さっちゃん様を待ってしまっている(笑)嬉しすぎるお言葉をありがとうございます!!そうなんです、すごく迷ってて( ; ; )どっちでも悲しいしあーもーどうしようかと!!迷う気持ちを持ちながら、2章ぶつかってくんで、どうぞ宜しくお願いします (2019年9月29日 19時) (レス) id: 1aa4b97c0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2019年9月12日 22時