悲しい恋なんかじゃなかった

悪い冗談 ページ18

『！

ジョングク！』



恐る恐る部屋の中の様子を伺うと、ベッドから起き上がって、ぼーっとした様子のジョングクが目に入る。


良かった！

気がついてたんだ！








『ジョングク！大丈夫！？
もう、びっくりしたんだから。』



彼の元へ駆け寄り、声をかけるけれど…




『…、

ジョングク？』




私をじっと見つめたまま一言も喋らない彼に、心臓がドキドキと音を立てる。




『どうしたの、ジョングク。
どっか痛い？
やっぱ病院行った方が…、』

JK「誰ですか？」































『え？』






JK「あなた、誰ですか？」































何？



















『な…に、言ってるの？


やだ、こんな時に冗談やめてよ。』




いたずらのつもり？



だけど、

びっくりするじゃん、と笑って見せても、表情を変えないジョングクに手が震えそうになる。













JK「…ごめんなさい。

本当にわからないんです。」



私から目を逸らしてそう言うジョングクは、嘘をついてるようには見えなくて。



YG「ジョングク。」

JK「！ヒョン！」



ちょうどその時、部屋に入ってきたユンギさんを見て、ホッとしたような顔を見せるジョングクに、もう訳が分からなくなってユンギさんの服を掴む。



『ユンギさん！

ジョングクがおかしくて…、

わ、私のことわからなくなったって…っ』

YG「は？」



私の言葉に思い切り眉を歪めたユンギさんに、
ああ、やっぱりジョングクは私をからかってるんだと、本気にした自分が恥ずかしくなった。












YG「…あんた、知らないのか？」

『…え？』

YG「…ジョングク、今は何年だ？」

JK「え？

2018年でしょ？」
















え？
















それだけ確認すると、ユンギさんは私の腕をとって、部屋から追い出すと自分も外に出る。

そしてしっかりと扉を閉めると、ゆっくりと私に向き合った。



『ユンギさ、』

YG「あいつは、新しく会った人間のことを覚えられない。」













『…え？』



一体この人は、何を言っているんだろう。

意味がわからない。

だって私、さっきまでジョングクと普通に話してたんだよ。



YG「ジョングクと初めて会ったのはいつだ？」

『…3日前です。』

YG「…なら、今のあいつにとってあんたは、初めて見る人間と同じだ。」

『…何、それ』

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