10こ目 ページ10
あまりにあっさりと貸してくれたことに驚いてしまう。
TH「その代わり、俺のことはテヒョンオッパって呼ぶんだよ？わかった？」
『テヒョンオッパ！』
TH「は〜、可愛い〜」
え、何この人。
ちょろすぎ。
テヒョンオッパと呼んだ私に、とびきりの笑顔を見せてくれる。
うーん、こういう時には子どもの体って便利なのかも。
借りた携帯の画面をつけ、押し慣れた番号を打ち込んでいく。
通話ボタンを押すと、ちゃんとコール音が聞こえたことに安心した。
《…もしもし？》
ああ。
スピーカーから聞こえる聞き慣れた声に心から安心する。
《…もしもし？どなたですか？》
『…あの、わたしは、おたくのAしゃんのともだちで、ミアともうします。』
…お母さんの声だ。
そんなに久しぶりってわけではないのに、
なんだかすごく懐かしい気がして不思議な気持ち。
《ふふ、あら、Aにこんな可愛いらしい声のお友達がいたなんて知らなかったわ。》
『あ、えへへ。』
電話の向こうのお母さんの笑顔が想像できて、私も自然と笑顔になる。
…だけど。
《うちに、何か用かしら？》
『あ、あの、いま、Aしゃんはどちらにいますか？』
《…え？》
『えと、またあそんでほしいなぁって…。』
さっきから、少し震えたようなお母さんの声に、
違和感があった。
明るく振舞ってはいるけれど、感情を押し殺すような、笑ってるのに泣いてるような、そんな声に。
『あの、』
《ミアさん。ありがとう。
是非またあそんであげて欲しかったんだけど…
ごめんなさいね、
Aは…》
『…、』
そう、か。
やっぱり、
そうだったんだね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2188人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カナン - 気になって読んでみたらまさかの展開で…。涙止まりませんでした！最後のテヒョンは全て知ってるかのような振る舞いがあり、興奮してしまいました\(//∇//)\これからも頑張ってください！ (2022年1月5日 3時) (
レス) @page42 id: 7156131372 (このIDを非表示/違反報告)
なる - とてもよかった！不思議なやさしいお話でした。 (2021年12月21日 9時) (レス) @page42 id: e79cab2ce6 (このIDを非表示/違反報告)
karensongping(プロフ) - 題名に惹かれて一気読みしたんですが涙が止まりませんでしたw素敵な作品をありがとうございます (2021年7月2日 23時) (レス) id: d8cd70cdbd (このIDを非表示/違反報告)
ユノ(プロフ) - 爆泣きしながら一気読みしました…感動しかないです、ミロさん、素敵な作品を本当にありがとうございます。明日からの生きる糧になりました、本当に。 (2020年12月5日 23時) (レス) id: 007bae5e34 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - のんさん» お返事遅くなりましてすみません(´；ω；`)嬉しすぎるお言葉をありがとうございます。読んでいただけてとても嬉しいです。また是非遊びにきたくださいね。 (2020年8月3日 19時) (レス) id: a66c275241 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミロ
| 作成日時：2019年8月4日 22時
