9こ目 ページ9
JN「それじゃあ俺は出かけるけど、すぐに戻ってくるから、いい子にしててね？」
『わかった。』
何度も何度も心配そうに振り返るソクジンに手を振り、扉が閉まった瞬間、大きく息を吐く。
よし。
今日の目標はただひとつ。
それは、この世界のどこかにいるはずの、27歳の【私】を見つけること。
正直言って、わからないことだらけだ。
だけど、自分を見つけることが出来たら何かがわかるはずだから。
だけど、この体になって、思い知ったことが１つある。
『んー、んー！！』
と、とどかん！！
まずは、実家に電話してみることが1番早いだろうと思い、家中探しまくってやっと電話見つけたと思ったら…
高い台の上に置かれてるせいで、今の私の身長では受話器に届かない。
子どもって、ほんとに不便！！
どうしたって届かないので、強硬手段にでてやろうと、次のターゲットに目に移す。
さっきから、床で気持ちよさそうに眠っているテヒョンさん。
ターゲットは、彼が手に握っている携帯電話。
そーっと忍び寄り、彼に近づく。
…よくこんなところで寝られるな。
起こしてしまわないように、慎重に彼の携帯に手をかける。
『っわ！！』
TH「へへ、つかまえたー！」
『は、はなちて！！』
突然伸びてきたテヒョンさんの腕に捕まり、ぎゅっと抱きすくめられる。
うそ！
起きてたの！？
TH「いたずらしよーとしてたでしょ？」
『ち、ちがうもん！』
TH「わるいこだなー。」
『ちがうったら！』
逃れようとしてジタバタと暴れるけれど、大人と子どもでは力の差は歴然で。
TH「あー、やわらかい。可愛い。」
『やーめーてー！』
もはや、されるがままである。
ひとしきりぎゅうぎゅう抱きしめた後、私を抱き上げてソファーに座ると、自分の膝の上に乗せる。
向かい合ったままじーっと見つめられ、なんだかとても居心地が悪い。
TH「俺の携帯で何しようとしてたの？」
『…でんわしたかったの。』
TH「ふーん。パパに？それともママ？」
『…。』
なんて答えればいいのかわからずに俯いていると、
TH「はい。」
『え。』
どーぞ、と携帯電話を渡されて、ポカンとしながらそれを受け取る。
『いーの？』
TH「うん、いーよ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2188人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カナン - 気になって読んでみたらまさかの展開で…。涙止まりませんでした！最後のテヒョンは全て知ってるかのような振る舞いがあり、興奮してしまいました\(//∇//)\これからも頑張ってください！ (2022年1月5日 3時) (
レス) @page42 id: 7156131372 (このIDを非表示/違反報告)
なる - とてもよかった！不思議なやさしいお話でした。 (2021年12月21日 9時) (レス) @page42 id: e79cab2ce6 (このIDを非表示/違反報告)
karensongping(プロフ) - 題名に惹かれて一気読みしたんですが涙が止まりませんでしたw素敵な作品をありがとうございます (2021年7月2日 23時) (レス) id: d8cd70cdbd (このIDを非表示/違反報告)
ユノ(プロフ) - 爆泣きしながら一気読みしました…感動しかないです、ミロさん、素敵な作品を本当にありがとうございます。明日からの生きる糧になりました、本当に。 (2020年12月5日 23時) (レス) id: 007bae5e34 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - のんさん» お返事遅くなりましてすみません(´；ω；`)嬉しすぎるお言葉をありがとうございます。読んでいただけてとても嬉しいです。また是非遊びにきたくださいね。 (2020年8月3日 19時) (レス) id: a66c275241 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミロ
| 作成日時：2019年8月4日 22時
