8こ目 ページ8
自分のことを伝えようとするたびに、のたうちまわりたくなるほどに頭が痛くなる。
何、自分の正体を言うなってこと！？
ほんとに、一体私が何したっていうのよ！！
JN「Aちゃん！？大丈夫！？」
『だい…じょぶ、』
心配そうに私を見つめるソクジンに、コクコクと頷く。
JN「きっと、疲れたんだね。今日はもう寝な？」
『…ねむくない。』
JN「だめ。
ほら、俺も一緒に寝てあげるから。」
そう言って、自分のベッドに入ると、横になってトントンと自分の胸の前のスペースを軽く手で叩く。
なんとなく抗えなくて、彼の胸元にすっぽりと収まると、「いい子だね。」と言って、私を笑顔で見下ろす。
変わってないと思ったけれど。
やっぱり間違いだったみたいだ。
だって私、こんなに大人なソクジンは、知らないもの。
付き合ってた頃は、どちらかというと私の方がお姉さんで。
優しくておっとりしてるソクジンを、いつもぐいぐい引っ張っていた。
『そくじん。』
JN「…ん？」
『よんでみただけ。』
JN「なんだよそれー。
可愛いなー、もー。」
ケラケラと笑うその顔だって、やっぱり昔よりも大人びて感じる。
JN「ソクジンもいいけど、オッパって呼んでほしいなー。」
『えー。』
JN「ほら、ジニオッパ。」
『ジニオッパ。』
JN「…いい！！」
あと、ちょっと、おっさんくさくなったかな？
JN「Aちゃん。」
『ん？』
JN「呼んでみただけ。」
『…まねしないでよ。』
JN「だって呼びたくなったんだもん。」
ねぇ。
それなら、なんで。
私の名前を呼ぶたびに、
一瞬、苦しそうな顔するのよ。
JN「うぷっ！え！？ひゃにふるの！？」
『…』
ソクジンの両頬をぎゅっと両手で挟んで潰す私に、彼は驚いて目を見開く。
なんで、別れてからもう5年も経ってるのに、
写真立てに、
…私と撮った写真なんか飾ってるのよ。
そんな顔するなら、私の名前を呼ばないで。
泣いてしまいそうになるから。
ソクジンの顔を押しつぶしていた手を、パッと引っ込めて彼の胸にしがみつく。
その瞬間、懐かしい私のよく知る彼の香りがして、
耐えきれずに少しだけ泣いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2188人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カナン - 気になって読んでみたらまさかの展開で…。涙止まりませんでした！最後のテヒョンは全て知ってるかのような振る舞いがあり、興奮してしまいました\(//∇//)\これからも頑張ってください！ (2022年1月5日 3時) (
レス) @page42 id: 7156131372 (このIDを非表示/違反報告)
なる - とてもよかった！不思議なやさしいお話でした。 (2021年12月21日 9時) (レス) @page42 id: e79cab2ce6 (このIDを非表示/違反報告)
karensongping(プロフ) - 題名に惹かれて一気読みしたんですが涙が止まりませんでしたw素敵な作品をありがとうございます (2021年7月2日 23時) (レス) id: d8cd70cdbd (このIDを非表示/違反報告)
ユノ(プロフ) - 爆泣きしながら一気読みしました…感動しかないです、ミロさん、素敵な作品を本当にありがとうございます。明日からの生きる糧になりました、本当に。 (2020年12月5日 23時) (レス) id: 007bae5e34 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - のんさん» お返事遅くなりましてすみません(´；ω；`)嬉しすぎるお言葉をありがとうございます。読んでいただけてとても嬉しいです。また是非遊びにきたくださいね。 (2020年8月3日 19時) (レス) id: a66c275241 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミロ
| 作成日時：2019年8月4日 22時
