36こ目 ページ36
「…A？」
『ごめん…、今日はもうお開きにしよう。』
「はぁ！？どこ行くのよ！二軒目は！？」
『ほんっとにごめん！
今度埋め合わせするから！』
「あ！ちょっと！A！！」
何度も謝って、私を呼ぶ同期の声を振り切るように走り出す。
一体、
何の衝動に駆られて走り出しているのか。
自分でも分からないけれど。
ただ、早く早くと急いた気持ちが足を動かす。
息を切らして、髪を乱しながら、
ヒールで必死に走る私を見て、通行人達はぎょっとした顔をするけれど、
そんなもの、知るもんか。
走っている間にも、どんどん雲は流されて、
暗い空が少しずつ顔を出す。
だけど、ここからじゃ星は見えなくて。
脇目も振らず目指したのは、この付近でも一際存在感を放つ、ソウルタワー。
係員の人に頭を下げ、閉館ギリギリに滑り込んだ。
ここに来るのは、
子どもの頃に親に連れてきてもらって以来。
展望台にたどり着き、息を整えながら周りを見るけれど、閉館間際のせいか私以外には誰もいなかった。
勢いに任せてここまで来てしまったけれど…
一体、何をしてるんだか。
ガラス越しに見える美しい夜景に、窓際まで近づいて、空を見上げる。
女1人で夜景を見るなんて、
ちょっと寂しい。
いや、元々寂しいなんて、感じる性格じゃなかった。
だけど、いつからか、
こんな時、誰かにそばにいて欲しいと思うようになった。
綺麗な景色を見た時、美味しいものを食べた時、
幸せだと感じた時に、分け合いたい人。
その�狠�か�瓩砲蓮△い弔�会えるもんだと思っていたけれど、
この歳になるまで出会うことはなくて。
だけど、まだ先は長いからって、そう思っていたけれど…
だけど、違った。
そりゃ、誰と会ってもしっくりこないはずだよ。
その�狠�か�瓩蓮∋笋涼罎任箸辰�に決まっていたんだもの。
「…、
A…さん？」
『…ソクジン君…っ』
きっと、私。
ずっと、あなたのことを待っていた。
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カナン - 気になって読んでみたらまさかの展開で…。涙止まりませんでした！最後のテヒョンは全て知ってるかのような振る舞いがあり、興奮してしまいました\(//∇//)\これからも頑張ってください！ (2022年1月5日 3時) (
レス) @page42 id: 7156131372 (このIDを非表示/違反報告)
なる - とてもよかった！不思議なやさしいお話でした。 (2021年12月21日 9時) (レス) @page42 id: e79cab2ce6 (このIDを非表示/違反報告)
karensongping(プロフ) - 題名に惹かれて一気読みしたんですが涙が止まりませんでしたw素敵な作品をありがとうございます (2021年7月2日 23時) (レス) id: d8cd70cdbd (このIDを非表示/違反報告)
ユノ(プロフ) - 爆泣きしながら一気読みしました…感動しかないです、ミロさん、素敵な作品を本当にありがとうございます。明日からの生きる糧になりました、本当に。 (2020年12月5日 23時) (レス) id: 007bae5e34 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - のんさん» お返事遅くなりましてすみません(´；ω；`)嬉しすぎるお言葉をありがとうございます。読んでいただけてとても嬉しいです。また是非遊びにきたくださいね。 (2020年8月3日 19時) (レス) id: a66c275241 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2019年8月4日 22時
