34こ目 ページ34
そう言って、
店内に置かれたテレビに目を向ける。
『あー。人気だよね。』
テレビに映っていたのは、今や世界的アイドルグループとなった防弾少年団。
「あー、今日音楽番組の日だった！生放送なのに！録画忘れた〜！」
あ〜！と頭を抱えて項垂れる友人に哀れみの目を向けながら、テレビの中で歌う彼らに再び目を向ける。
あの中に、
私の知り合いがいるなんて言ったら驚かれるかな？
いや、
知り合いと言っていいほどの関係なのかは微妙だけれど。
…キム・ソクジンは、
私の大学時代の
と言っても、会話をしたことなんてほとんどないし、ただすれ違ったら挨拶をする程度の関係。
ああ、でも。
一度隣の席になったことがあったかな。
たった一度だけだけど。
そんな薄っぺらい、彼にとっては同級生Aくらいの関係でしかないにもかかわらず、
私は大学時代、
ずっと彼のことが好きだった。
馬鹿な話だけど、
その気持ちを引きずってるのか、男の人と良い関係になってもいつもうまくいかない。
こんなこと、友達に言ったらめちゃくちゃ怒られそうだから絶対言えないけど。
「ユンギ〜！！結婚して〜っ！！」
『やめなさいよ。皆見てるよ。』
「ジンっ！！ジンも素敵っ！！」
『はいはい。』
荒ぶる同期を軽くあしらいながらも、私の視線は、ずっと彼のことを追っていた。
…かっこよくなったな。
いや、元々すごく綺麗な顔をしていたけれど、さらにかっこよくなった。
私なんかの手は届かない。
別の世界の人。
たかだか一度話したくらいの、ただの他人。
そんなのちゃんとわかってる。
だから、早く。
この気持ちは断ち切らなくちゃいけない。
片思いにしては粘着質なこの気持ち。
なぜこんなにも忘れられないのか。
わからないけれど、彼を見るたびにどうしようもなく胸が苦しくなるんだ。
もしかして、ペンなのかな。なんて思って少し笑う。
だったらファンクラブ入らなきゃ。
これはまだまだ結婚できそうにないな。
別に、急いでるわけじゃないから良いのだけど。
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カナン - 気になって読んでみたらまさかの展開で…。涙止まりませんでした！最後のテヒョンは全て知ってるかのような振る舞いがあり、興奮してしまいました\(//∇//)\これからも頑張ってください！ (2022年1月5日 3時) (
レス) @page42 id: 7156131372 (このIDを非表示/違反報告)
なる - とてもよかった！不思議なやさしいお話でした。 (2021年12月21日 9時) (レス) @page42 id: e79cab2ce6 (このIDを非表示/違反報告)
karensongping(プロフ) - 題名に惹かれて一気読みしたんですが涙が止まりませんでしたw素敵な作品をありがとうございます (2021年7月2日 23時) (レス) id: d8cd70cdbd (このIDを非表示/違反報告)
ユノ(プロフ) - 爆泣きしながら一気読みしました…感動しかないです、ミロさん、素敵な作品を本当にありがとうございます。明日からの生きる糧になりました、本当に。 (2020年12月5日 23時) (レス) id: 007bae5e34 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - のんさん» お返事遅くなりましてすみません(´；ω；`)嬉しすぎるお言葉をありがとうございます。読んでいただけてとても嬉しいです。また是非遊びにきたくださいね。 (2020年8月3日 19時) (レス) id: a66c275241 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2019年8月4日 22時
