13こ目 ページ13
【Aは、遠いところに行っちゃったの。】
お母さんのその言葉に、一瞬で全てを理解してしまった私は、震える指で電話を切ると、そのまますぐに自分の名前を検索した。
すると、すぐに１つのネット記事がヒットして、ドクドクと音を立てる心臓を抑えながら、その記事を読み込んだ。
【飛行機事故により、乗客多数が犠牲に】
との見出しで始まるその記事には、日本と韓国を結ぶ便が、エンジントラブルにより着陸失敗したこと。
そして、その時の衝撃で乗客の数名の命が失われたことが書いてあった。
…そして、最後に載せられた犠牲者一覧のところに、
私の名前はあった。
TH「…A？」
心配そうに私の名前を呼ぶテヒョンさんの声は聞こえていたけれど、返事は出来なかった。
だけど、取り乱したりせずにいられたのは、
やっぱりどこかでそうじゃないかという気持ちがあったから。
【私】がこの世界のどこかに生きているのだとしたら、今ここにいる私は、きっと最初から存在しなかったような気がするから。
＿＿＿
＿＿＿＿＿
『なんで…』
JN「なんで？
んー、なんでだろ。
とにかく忘れられない人。
って、そんなこと言ってもわかんないよね。」
背中から感じるソクジンの熱に、
もう一度、私がAだと打ち明けたくなった。
【私】がもういないこと、知らないわけじゃないでしょう？
5年経ってもまだ、
あなたは【私】を思ってくれているの？
さっき、
自分がもうこの世界にいないと知ったにも関わらず、意外にも冷静な自分に驚いていたけれど。
JN「…Aちゃん？
っ、どうしたの？」
『…、ひっ』
今、やっと実感した。
JN「…泣かないで？
ね？」
『…うう…』
私は、今もこんなにも思ってくれるあなたを、
置いて行ってしまったんだね。
悲しくて、苦しくて。
どうしようもなくて涙が止まらなかった。
こんな時までも、やっぱりあなたが愛しくて、
涙が止まらなかった。
その日、私は、
ソクジンに抱きしめられたまま、
涙が枯れるまで泣き続けた。
泣き疲れて眠るまで、
ソクジンは私を離すことなく、
ずっと抱きしめて、背中を撫でていてくれた。
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カナン - 気になって読んでみたらまさかの展開で…。涙止まりませんでした！最後のテヒョンは全て知ってるかのような振る舞いがあり、興奮してしまいました\(//∇//)\これからも頑張ってください！ (2022年1月5日 3時) (
レス) @page42 id: 7156131372 (このIDを非表示/違反報告)
なる - とてもよかった！不思議なやさしいお話でした。 (2021年12月21日 9時) (レス) @page42 id: e79cab2ce6 (このIDを非表示/違反報告)
karensongping(プロフ) - 題名に惹かれて一気読みしたんですが涙が止まりませんでしたw素敵な作品をありがとうございます (2021年7月2日 23時) (レス) id: d8cd70cdbd (このIDを非表示/違反報告)
ユノ(プロフ) - 爆泣きしながら一気読みしました…感動しかないです、ミロさん、素敵な作品を本当にありがとうございます。明日からの生きる糧になりました、本当に。 (2020年12月5日 23時) (レス) id: 007bae5e34 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - のんさん» お返事遅くなりましてすみません(´；ω；`)嬉しすぎるお言葉をありがとうございます。読んでいただけてとても嬉しいです。また是非遊びにきたくださいね。 (2020年8月3日 19時) (レス) id: a66c275241 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2019年8月4日 22時
