触れる肩 ページ18
JN「宿の人に言っておいたから。
多分もう大丈夫だよ。」
『ありがとうございます…!』
少し話さない?と言う先輩に二つ返事で頷いた私は、彼と2人壁にもたれて並んで座っている。
部屋の明かりは小さなライト一つだけだから距離感がよくわからないけれど、時折触れ合う肩が、先輩がすぐそばにいることを教えてくれて、さっきまでの不安が嘘のようになくなる。
『でも今となっては覗かれたのが女風呂で良かったも。』
JN「何?」
『だって、私もし先輩が覗かれてたらと思うと気が狂いそうですもん!!』
ハハッと笑う私に、深いため息をつく先輩。
JN「じゃあ、僕の気持ちもわかってくれるんだ?」
『先輩の気持ち?』
JN「僕だって今、気が狂いそうなんだけど。」
『え!?』
コテンと、頭に重みを感じる。
寄せられた先輩の髪からは、私のと同じ香りがした。
時折触れ合う程度だった肩は、
今は一ミリも隙間がないほどに密着している。
JN「僕もまだ見たことないのに…。」
ぼそりと呟かれた先輩の言葉に、
一気に顔に熱が集まる。
ガタガタッ!
『ぎゃ!』
JN「わ!」
強く揺れた窓に驚いて、思わず先輩に抱きつく。
『…』
JN「…」
どさくさ紛れに背に手を回してみると、
先輩も優しく私を包み込んでくれた。
トクントクンと聞こえる先輩の心臓の音に、
だんだんと気持ちよくなっていく。
あ、今ならトントンされて眠くなっちゃう子ども達の気持ちがわかるかも。
すごく安心する。
JN「浴衣って…なんか…」
『え?』
パッと顔を上げると、
何やら言い淀む先輩に首を傾げる。
JN「ううん、なんでもない!
言い忘れてたけど、似合ってるよ。」
『先輩こそ!
浴衣、ものっすごい色っぽいっす!!』
JN「…。
だよねぇ?」
『?…!』
あ。
キスされる。
暗闇に慣れた私の目が、
先輩の伏せられた長い睫毛を捉える。
ああ。
私は、本当にこの人が…
JN「いで!」
『!?』
突然響いた先輩の悲鳴に、
おちょぼ口のまま目を開く。
おい、まじか。
JK「すぴー」
眠ったままのジョングク君のかかとが先輩の背中に刺さっていた。
もう、いっつもこう!!!
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えみ♪♪(プロフ) - ミロさんの作品は全部何度も読み返してます。とても大好きです!! (2021年8月25日 22時) (レス) id: 004a0e4a1a (このIDを非表示/違反報告)
タハ - 新しいキャラクター、待ってました!! どうやら今の展開で行くと、ソクジンさんとライバルになりそうですね! 楽しみです☆ 私も大好きです!! (2020年5月17日 17時) (レス) id: ee578eb3c2 (このIDを非表示/違反報告)
さいとー。 - なんなんですか!?この最高の話は!!!ジミンちゃんの骨拾うとかちょいちょい出てくる言葉にセンスしか感じません!笑 (2020年4月27日 18時) (レス) id: 577906deae (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - まかろん1106さん» わ!わ!わ!えーん!!嬉しすぎてどうしましょうかっっ!!本当にこんなふうにいただける暖かいお言葉に支えられて毎日楽しくお話書かせていただいてます(T-T)こちらこそありがとうございます!(>人<;)これからも何卒よろしくお願いします…!! (2020年1月5日 11時) (レス) id: 990117c315 (このIDを非表示/違反報告)
まかろん1106(プロフ) - ミロさん!突然ですが私、ミロさんが書くお話…ほんっっとに好きでして、もう、毎日ミロさんの色んなお話読ませてもらってるんですが、もう依存するくらい素敵な作品ばっかりで感動してます!笑 (2020年1月3日 1時) (レス) id: 874c25485a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2019年5月8日 19時