あれ? 趣旨は? ページ20
「……なぁ。
「…………奇遇だなリード。俺も同じことを思ってる」
彼らーー問題児クラスは無事優勝、クラス全員が
…………が。
目の前には、6人。
美しく髪を靡かせる、我らが音楽教師。
珍しく口角を上げる、我らが担任、暗黒大帝。
スティックを振り回して怒られている、使い魔学担当教師。
堅い漢の握手を交わし、ベースを抱える、占星術担当教師,戦術学担当教師。
顔を真っ赤に、ボーカルに抱きついている、魔術基礎学教師。
…………今日って、何の日だっけ。
確かに、モネとカルエゴのデュエットの時点で、あのケロリを含めた、問題児クラスの面々は、声を失っていた。
美しすぎて。
特にイルマとプルソンは、かつてリリス・カーペットを演奏されたので、モネの偉大さは、知ってはいたものの、ここまでとは思っていなかった。それが、ようやっと実感する。
審査の時、ポロにあそこまで言わせていた理由が、ようやっと判明したのである。
しかし、
しかし、だ。
彼らの必死さを、教師陣、特にカルエゴが知らなかった筈がない。
このタイミングで、このクオリティ。
嫌がらせとしか思えない(カルエゴの普段の行いを、さあ振り返ってみよう!!)。
でも、それでも、問題児クラスのメンバー,ベストパフォーマーに選出された、オロバス・ココをはじめ、誰一人として不満そうな空気でないのは、流石と言う他ない。
全てを掻っ攫っていった教師陣を、ちょっと恨めしい目で見つめる、問題児クラスの中に、1名。
本日の主役の1人。
彼は、モネに言われた。
自分のトランペットの音は、優美である、と。
モネ等がこれだけ、強烈で最強で、最高な歌を持っておいて、生徒にそんなことを言うのか、とも思ったものの。
「先生の歌だって優美でしょ」
誰かに気に留められることもないまま、その声は空気に溶けていく。
また聴きたい、これからも是非。
我らが音楽教師、フェネクス・モネ先生。
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作者名:Sela | 作成日時:2023年3月19日 10時