芸術の順位付け ページ14
「………さて。」
どこかに連れ去られたアブノーマル達が帰ってきたところで。
「私、バビルス音楽教師、フェネクス・モネが、今年の『ベストパフォーマー』を発表致します」
…………うわ気まずっ。
「まず、これは準備も含め、音楽祭で、その実力を遺憾無く発揮した生徒に贈る賞です。私の独断ですから、各々、思うところはあるかと思いますが。」
「結論。ベストパフォーマーは、A組、オロバス・ココ」
「っ!!」
…………全員、何で? って顔をしているわね。
「理由は幾つかありますが。音楽祭に対する姿勢が、純粋に素晴らしかったこと。
今日の活躍。
建前の理由は以上です」
「「「…………本音は??」」」
「歌声が私の好みです」
「「「………はぁ?!?!?!?!」」」
何か文句でも? 職権濫用万歳!! でしょう??
毎年のお楽しみなんだから。
「とにかく。彼には、トップを与えても問題無い程の、価値を見出しました。要するに、勘。芸術においての順位など、所詮はその程度の理由です」
「音楽の授業の集大成、お疲れ様でした。各々に合わせて、厳粛な成績をつけさせていただきます。が、」
「「「が、?」」」
「………問題児クラス。いい加減、授業は真面目に受けなさい。成績に関しては、『終わり良ければ全て良し』なんて通用しませんよ。次の授業は小テストを行いますので。」
「「「んなっ!!!!!!」」」
ふん。
せいぜい、カルエゴ先生にでも絞められなさい。
「……本音はどうなんだ」
「……突然どうなさいました? カルエゴ先生」
「ベストパフォーマー以外に何がある」
あら。
「自分のクラスの生徒が選ばれなかったからって、落ち込んでます?」
「……お前のような奴が、勘で選ぶわけないだろう」
……そこまで私のことを買ってくださるなんて。
まさか。
「……1番の理由は、問題児クラスの出し物が、
「彼らは、不連敗。しかし、オロバス君には高い能力がありましたし。一度くらいは、トップを与えても良い。そう思える程に精進していましたよ」
「…………そうか」
「まあ2番目の理由は、ジャズ君のいるクラスになど与えてやるか、と思ったからですけれど」
「私怨なのか……」
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作者名:Sela | 作成日時:2023年3月19日 10時