ラッキーセブン＊2 ページ5
＊
咲希｢あっ！2人とも、いらっしゃ〜い！｣
A｢お邪魔します……って、咲希だけ？｣
約束の6時……より、少し前。
恒例のように天馬家の扉を開けると、出迎えてくれたのは咲希だけ。
咲希｢お兄ちゃんは、お友達を呼んでくるって言ってさっき出ていったの！｣
A｢本当に友達なのかな｣
冬弥｢？｣
寧々とえむちゃんって言ってたし、ショーの仲間達かな……何だっけ、ワンダー……
司｢ワンダーランズ×ショウタイムだ！｣
A｢エスパー？｣
咲希｢お兄ちゃん！おかえりなさいっ！｣
司｢嗚呼、ただいま！｣
いつの間にか帰ってきていたらしい司が、ドアを全開にする。
そこには、予想通りと言ったところか、えむちゃん、寧々、類さんが立っていた。
ワイワイと楽しそうに司を罵倒しながら(？)玄関に足を踏み入れる。
それぞれの手には、色とりどりの短冊が握られていた。
ーーーーー
えむ｢あたしのお願いはね〜っ！
皆が笑顔になりますようにでしょ〜、もっとわんだほいなショーができますようにでしょ〜、それと〜！｣
司｢おいえむ！短冊を何個飾る気だ！？｣
類｢ふふ、楽しそうだね。
そうだ、僕もあと数枚短冊を追加しようかな。｣
寧々｢じゃあ私も……｣
司｢それじゃ意味ないだろ！！｣
短冊に書いた願い事を発表しよう、と司が言い出して……今に至る訳だけど。
えむちゃんを習って、類さんと寧々が数枚の短冊を取りだした。
冬弥と咲希も楽しそうにそれを眺めている。
私はそんな皆に隠れて、自分の短冊を見る。
淡い水色の画用紙でできた短冊には、何も書かれていない様に見えた。
咲希｢A、まだ書いてなかったの！？｣
司｢む、そうなのか？
ならばペンを貸してやろう。｣
A｢え、ありがとう。｣
思わず受け取ってしまったペンを少し見て、キャップを外す。
実は、誰にも見られたくなくてブルーライトをかざさないと見えないペンで先に願い事を書いてきたんだ。
皆も願い事沢山書いてるし……いいよね1個増えるくらい。
“次は忘れ物をしませんように”
司｢そんな願い事でいいのか？｣
A｢特に、願い事もないから。｣
そう言って、もう一度短冊に視線を落とす。
私が書いた願い事……
“このままずっと、楽しい時間が続きますように”
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