日常と非日常＊17 ページ2
＊
A｢私……
若年性アルツハイマー、なんだって。｣
言った……言ってしまった。
3人はその場で動かなくなってしまった。
……彰人辺り、この病気を知ってるのかすら不安だけど。
司｢う、嘘だろ……？｣
咲希｢A……｣
A｢私だって認めたくないけど……
でも、そう、なんだって。｣
私がそう言うと、咲希が私の名前を呼びながら抱きついてきた。
それも、大泣きしながら。
まあ、聞いてから1週間くらいしかたってないし、まだ確実にそうだって決まったわけじゃないことを信じたいけど。
……なんて、ね。
ーーーーー
咲希side
A｢私だって認めたくないけど……
でも、そう、なんだって。｣
咲希｢A〜〜！！｣
アタシはガバッ、とAに抱きつく。
Aはビックリしながらも受け止めてくれた。
アタシ……Aじゃないのに、Aより泣いちゃってる……。
本当は、アタシが安心させてあげなきゃなのに……！
お兄ちゃんとあきとくんはまだ状況が飲み込めてないみたいで、突っ立ってるけど……
そんなことを考えてると、Aはアタシのことをぎゅ、とだきしめかえした。
A｢咲希……私の代わりに泣いてくれてありがとう。｣
咲希｢……っ！｣
全然、ためになる涙じゃないのに……Aはそう言ってくれた。
若年性アルツハイマー病……記憶を無くす病。
少しだけ、聞いたことがある。
確か……治らない、病気。
だから、これから……ううん、この病気を知った時から、Aはいつか全て忘れるっていう、怖い思いをしてたんだ。
なのに、アタシ、見抜けなかった……！
小さい頃から、一緒だったのに……！
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