ディアレスト【佐野玲於】

浮かない顔 ページ6

玲於 s i d e






２２時


店を閉めて、スタッフルームにもどる





…ん ？


……なんか、おかしい。



いつも入ってすぐ、
バイト終わりとは思えないほど元気に“玲於くん玲於くんっ”って近寄ってくるあいつが、今日は来ない。





携帯を見つめてはため息をつきながら


なんだか浮かない顔してる。







…つまんない


亜嵐くんに会うとか言うからいじめてやろうと思ってたのに。






玲於「何があったの。」


A「…え？あ、玲於くんもお疲れ様」




は？こいつ、俺が来たことにさえ気づいてなかったのかよ…





玲於「ほら、早く用意しねぇと亜嵐くん迎えに来るんでしょ？」


A「……今日ね、亜嵐くん用事ができちゃったんだって。」





あぁー…


ドタキャンされたのか。



あんな楽しみにしてたのに。

イケメンと約束なんかするから。豚のくせに。





玲於「ほら、また行けばいいじゃん。」





どうして俺が慰めないといけないんだよ。とは思ったけど

こいつにはこんな顔、似合わない。





A「亜嵐くんね、きっと彼女が出来たの。だから、ちょっと寂しくて…ありがとう！玲於くん」





そういえば…


俺の好きな人、モカちゃんも

最近ラインの返信が遅いなぁ





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