ディアレスト【佐野玲於】 (ページ25)

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クセページ25

A s i d e

A「ごめんね亜嵐くん、遅くなっちゃった。」

亜嵐「全然。よし、行こっか。」

さっきの玲於くんの言葉は

余計にわたしの心を揺るがす一言だったけど

忘れることにした。

玲於くんからすると

あんなの、どうってこと無いと思うから

A「うわぁ、すっごい美味しい！！」

コンビニに寄ってから

近くの公園のベンチでアイスを食べる

亜嵐「おれのバニラも美味しいよ。食べる？」

A「わたしのイチゴも。じゃあ、交換しよ」

お互い半分くらい食べきった頃に

アイスを交換

亜嵐「そういえばあいつも、イチゴのアイス好きだったよね～」

A「その影響でわたしもイチゴ好きになったんだよ。」

亜嵐「あれ、そうだったの？まだまだAの知らないところ、いっぱいあるね。」

A「そんなこと無いよ。亜嵐くんみたいなお兄ちゃんが居てくれて、本当に良かった。」

亜嵐「何言ってんの、あいつには勝てないよ。」

少し寂しそうな面影で

暗い空を見上げる亜嵐くん

あの時から、何か考える時は空を見上げちゃうの。私たちの癖になっちゃったね

その頃は私がずっと泣いてばかりで

優しく寄り添ってくれて居た亜嵐くんだけど

きっと亜嵐くんも、同じくらい辛かったよね。

いつも、一緒に居たのに…

A「…亜嵐くんも、いつか私から離れちゃう？」

亜嵐「絶対に離れるわけ無いでしょ。ずっと側に居るよ。」

A「ほんと、？」

亜嵐「うん、約束する。…ごめんね、思い出させちゃった？」

A「違うの。たまに、たまにね。不安になっちゃう」

亜嵐「…そっか。いつでも電話しておいでよ？」

A「うん、ありがとう。」

亜嵐くんの言葉には

絶対嘘なんて存在しないから。

このときの私は

そう思っていた。

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