ディアレスト【佐野玲於】 (ページ15)

今日:30 hit、昨日:24 hit、合計:238,912 hit

視野を広げるページ15

A s i d e

亜嵐くんのお家へ戻ると

私の浮かない顔を見て何かを察したのか、亜嵐くんの部屋へ何も言わずに連れてってくれた。

亜嵐「…おれに話せる？」

いつもなら迷わず全て相談するけど

今回は違う

亜嵐くんの彼女のことを

玲於くんが好きで

でも私は玲於くんが好きだから

玲於くんの辛い顔は見たくなくて

忘れた方がいいなんて言ってしまったから

玲於くんが怒っちゃって…

思ってる以上に、複雑だ。

A「心配かけてごめんね、何も無いよ。」

亜嵐「俺にウソつくの？」

A「…ほんとだよ。………あ！亜嵐くん、彼女さんと上手くいってる？」

亜嵐「なら良いけど……モカとは、上手くいってるよ」

A「そっか。亜嵐くん優しすぎるから、心配だよ。」

亜嵐「あれ、俺も心配かけちゃった。笑」

そっか

モカちゃんと上手くってるのか

玲於くんの立場からすると

嫌って思っちゃうんだろうけど…

少し安心しちゃった自分に、ビックリ

A「わたし、玲於くんの事諦めたい。」

嫉妬とかそんな汚い感情に支配されるくらいなら、もうやめたい。

そして

私が玲於くんを想うように玲於くんもモカちゃんを想っているなら、

最初から私の入る隙なんて無い。

直感的にそう思ってしまった

亜嵐「…いいと思うよ？俺は。諦める諦めない関係なく、一度視野を広げてみるのも」

A「…視野を広げる？」

亜嵐「うん。他の男にも意識してみたら？」

A「隼くんとか？亜嵐くんとか？」

亜嵐「そう、隼とか。…俺は、お兄ちゃんだから今まで通りね。笑」

A「あ、そっか。頑張ってみる！」

じゃあご飯にしよっか

って亜嵐くんと２人でリビングへ向かう

もうみんな食べてるのに、待っててくれてたんだ。

亜嵐くんが本当のお兄ちゃんなら良かったのに…

あ、でも亜嵐くんがお兄ちゃんだと

つい甘えちゃってまた玲於くんに豚とか言われちゃう

…ってまた玲於くんのこと考えてる

いつもいつも私の頭には玲於くんが居て

何をするにも玲於くんを考えてて

諦めるなんて、難しすぎるかも…

でも、玲於くんも今きっと私のことなんて大っ嫌いって考えてるはずだし…

他の人にも、ちゃんと意識してみよう

.