INVISIBLE LOVE ページ5
.
誕生日プレゼントにネックレスをあげた時
｢はい、プレゼント!｣
｢えっ！ありがとう｣
箱の中のネックレスを膜の張った瞳で見つめながら
｢綺麗... 大事にするね｣
そう言った。嬉しそうなのに、すごく切なそうな表情で。
Aさんにそんな顔させてるのは旦那さんなの？
｢ねえ、Aさん。
一緒に...逃げない？｣
｢えっ...｣
｢旦那さんといるのがAさんにとって一番幸せなら諦めようと思った。
だけど、
そうじゃないなら、二人で暮らそう？
俺がAさんを守るから。｣
｢壱馬...｣
嬉しそうに頷いたAさんの目に嘘はなかった。
いや、そう信じたいだけかな？
一緒に逃げるはずだったあの日、Aさんは約束の場所に来なかった。
それからは連絡をしても一向に返信が来なくて、それでも俺は待ち続けていた。
次の日
心配になってAさんの家の前に行くと、止まっていた車の中にAさんが乗っているのが見えた。
近づいていくと、俺に気づいてすぐに車を出そうとした。
｢待てよ！｣
開いていた車の窓に手を伸ばし、彼女の腕を思わず掴む。
黙り込んだままのAさんに話しかけた。
｢なんで来てくれなかったのか教えて？
俺...ずっと待ってた。｣
そう言うとやっと顔をあげてくれた。
そして、静かに話し始めた。
今まで見たこと聞いた事ないくらい冷たい声で。
｢...嫌になったの。｣
｢えっ？｣
｢嫌なの。ずるずるこんな関係続けているのが。｣
｢なんで急にそんなこと言うんだよ！
俺は...Aさんと一緒に居られればそれでいいし、
俺だったらAさんを幸せにする自信があ..｣
｢...甘いよ！
何も分かってない。｣
INVISIBLE LOVE→←INVISIBLE LOVE
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 16人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mm | 作成日時：2020年5月8日 1時
