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切なさで歪んだ北人くんの顔が未だに忘れられない。
そんな顔をさせたかったわけじゃない。
ここで突き放さないと、
北人くんは前には進めない。
私だってきっと気持ちの整理がつかない。
北人くんの夢を応援したいから、私から離れるべきだと思ったんだ。
｢正解なんて誰にも分からないよ。
分かってたらAが今でもこんな風に悩むことだってないでしょ？｣
｢......｣
｢北人くんだって別れたくて別れた訳じゃないと思うよ?
なんでAがそんなこと言うのかって北人くんなりに考えて、夢の為にも前に進んだんだと思う。
そうじゃなかったら...あそこまで頑張れないよ。｣
聖ちゃんの言葉が胸に染みる。
少しだけ自分のしたことが間違いでは無かったんだと思う事が出来た。
｢ありがとう、聖ちゃん。｣
思わず堪えていた涙が零れる。
｢どういたしまして!
もう!泣かないの！ほら、食べよ?｣
そう言って聖ちゃんは、目の前のフレンチトーストを私の口の中に入れた。
｢ふふ笑 美味しい!｣
｢でしょ!笑
Aはそうやって笑ってる顔が1番可愛いんだから元気出してね。｣
｢うん!｣
やっぱり持つべきものは聖ちゃんだなと改めて思った。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
カフェを出た後2人でショッピングをして、帰宅した。
聖ちゃんには宮崎からわざわざ東京に来てもらったため、私の家に泊まってもらう事になっていた。
一緒に夕飯を作ってお酒を飲みながらテレビを観たり近況報告をしたりして過ごす。
布団に入ってからも思い出話をして気づけば日付が変わっていた。
気持ちは中学高校時代に戻ったみたいで、はしゃぎすぎて外は明るくなり始めていた。
｢そろそろ寝よっか笑｣
｢まあもう朝だけどね笑 今日も休みだしお昼くらいまで寝ちゃお!｣
｢だね笑 有給最高だわ笑｣
｢良かったね笑｣
｢...ねえ、澪?｣
｢ん?｣
｢少しは元気出た?｣
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作者名：mm | 作成日時：2020年3月11日 13時
