Starlight (ページ4)

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"ありがとうございました！"

体育館の方から終わりの挨拶が聞こえてくると
一気に緊張が押し寄せてきた。

正直待っている間も体がだるかったけど初めて話すことができるかもしれないと思ったら帰る訳にはいかなくて...何度も何度も息を整えていた。

バスケ部が帰り支度を始めたのかさっきまで静かだった廊下もガヤガヤと騒がしくなってきたので下駄箱の前から身を乗り出して様子を確認すると

｢そんなんじゃないって！笑｣

北人くんの声だ!

思わず下駄箱で身を隠す。
どうしよう、心拍数が上がってきた...

｢俺が好きな人はずっと変わらないから。｣

｢え...｣

あの噂本当だったんだ。
待ち伏せして一緒に帰ろうなんて1人で浮かれちゃってバカみたい。

ここまで無理していたから疲れが出て感情のコントロールが出来なくなる。

涙が込上げてくるのを我慢して急いでローファーに履き替えると

｢え!!Aさん!?｣

北人くんが私の名前を呼んだ。

"なんで私の名前知ってるの?"

そんな問いかけは声にならなくて
驚いて急に振り返ったせいで脚がもつれた。

｢きゃっ!｣

絶対転ぶと思ったのに体はふわっと支えられ
ふと顔をあげると北人くんの顔が目の前にあった。

｢大丈夫? あっ、ごめん。｣

北人くんは心配そうに私を見つめたあとで思いのほか距離が近かったためか顔を赤らめた。

｢私こそごめんなさい!!!
支えてくれてありがとう!じゃあ!｣

今の状況が恥ずかしすぎて、初めての会話に目も合わせられない。
早口でお礼を言い帰ろうとした。

｢待って！｣

ふいに掴まれた右手から北人くんの体温
が伝わってきてどんどん体が熱くなる。

気がついたら他の部員は帰っていて二人きりになっていた。

｢具合悪そうだしもう遅いから送ってく。｣

少し照れくさそうにそういうと私の荷物を持ってくれて1歩前を歩き出した。