“カミ”のみぞ知る… ページ15
*
「どうしよう…」
マンションの部屋の前で小さくつぶやく
ここでいまさら「どうしよう…」って言ってても、
仕方ないのはわかってるんだけど…
「やっちゃった…」
ここにきて後悔したり…
ドンヘに対してのなんとも言えない感情
その感情の持って行き場がわかんなくて…
偶然出会った彼を誘ってしまったワケだけど…
「かわいいよ」
なんて言われてちょっとその気になってたけど、
部屋の前で急に
自分がしたことの現実味が帯びてきた
電源の入っていないケータイの画面をじっと見る
まだ、リハをしてるのかな…
もう、帰ってきてるのかな…
はぁーっとため息をついて、
ドアを見る
ドンへはきっと、
ワタワタしながらアレコレ説明してくるんだろうなぁ…
それに、
ツアーに同行しないことも聞いたかなぁ…
それよりも、
アタシのこと、
どう思うかなぁ……
ドンへもヒョクちゃんも引かないかなぁ……
「はぁぁぁぁぁ………」
はぁーって思ったり、
しょぼんってしたり、
イラッてしたり、
「なに、やってんだろ…」
自分の感情が緩めのジェットコースター
早朝から乗り続けてるせいで、
もうぐったり…
グダグダウジウジしててもしょうがない
ドンへとヒョクちゃんに会うことは避けてとおれないし、
フタリが“どう思うか”だって、
アタシにはわかんないし…
まさに、
「“カミ”のみぞ知る…」
って、ところ…
「ヨシッ！」
って気合いを入れてから、
玄関ドアのロックを解除した
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作成日時：2015年4月1日 21時
