うねりずむ 3

15分後 ページ23

*

ドンへの言ったお店の駐車場


車が止まって数分…


ヒョクちゃんが右手の人差し指で

ハンドルをトントンと叩く



なにを、考えてるんだろう…？



トントントントン、トン



一拍開いて、

ヒョクちゃんの指が止まった




EH「A…」


ヒョクちゃんがゆっくりとアタシの方へ向く



EH「頼みがあるんだけど…」

「頼み…？」



ヒョクちゃんが「うん」って頷く

EH「Aにしか頼めない…、って言うか、Aにしかできないことなんだけど」


「アタシにしか、できない？」



また、ヒョクちゃんが頷く


EH「…10分、んー、15分！15分後に、店に入ってきて？」

「えっ？ 15分後？」


EH「うん。個室、ドンへがいるの奥のいつもの個室だと思うから、15分後に入ってきて？」

「なんで、15分後なの？」


EH「それまでに、なんとかするから」

「へっ？」



もう、なにがなんだか…



「ドンへを迎えにきたんでしょ？」

EH「まぁ、そうではあるんだけど…」

ヒョクちゃんが言葉を濁した感じ



EH「で、あと、なーんにもしゃべんないで！」

「はぁっ？」


EH「個室に入ってきても、なんにもしゃべらないでね」

「ちょ、なんなの？ちゃんと説明してよー」


ヒョクちゃんの右腕をバンバン叩く


そのアタシの手を掴みながら、

EH「説明してる時間ないからさー」


ヒョクちゃんが掴んでた手を離して、

その手がアタシの頭に乗せられた



EH「Aー、頼むよー！ね？」

優しく笑いながらアタシの顔を覗き込む



むぅー、ずるい！

その笑顔で頼まれたら断れないじゃん！



「んー」

腑に落ちないところだらけだけど、

ヒョクちゃんの作戦どおり頷いてしまう




EH「んじゃ、15分後ね！頼んだよ、A！」



ヒョクちゃんがキャップを目深に被り直してから、

車を降りた





お店に入って行くヒョクちゃんの背中を見ながら

ため息をひとつ…





あらためて意識すると

長く感じる15分…

救出作戦！*01*EH→←なになに？

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