うねりずむ+β (ページ8)

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ふたりの長いイチニチ+08 ページ8

*

アタシに手を引かれながら歩くドンヘは楽しそうで

よくわからない鼻歌から、

ドンヘの楽しさが伝わってくる

結局こうやって、

なぜだかいっつも、最終的にはドンヘの思うツボ？

いや、そこまでは計算してないか…

だけど、結局“ドンヘ得”…

はぁ……

思わずため息をついたら、

繋いでいる手をグイッと引っ張られて、

そのまま、形勢逆転

ドンヘがアタシの手を引いて歩く

DH「Aに引かれて歩くのもいいんだけど、ここからは、オレが先！」

そう言いながら、

握った手にチカラが込められた

鼻歌はいつのまにか止まっていて、

ふたりの歩く音だけが聞こえる…

さっきまでとは違う雰囲気に戸惑いながら、

ドンヘの後を歩く…

(こんなに頼もしい背中だったっけ…)

前を歩くドンヘの背中を見ながら、

そう思った…

DH「………えへっ」

突然聞こえたドンヘの笑い声

「…えっ、なに？」

突然過ぎて、

なにに笑ったのかわからなくて、

そのまま聞いてみたら…

DH「…えー、だってぇ、…Aがぁ、オレの背中が頼もしいって言うからー。オレの背中、頼もしいっ！アハッ！」

「・・・・・」

ココロの声だったはずなのに、

だだ漏れだったなんて…

逃げたい、今すぐにここから逃げたい！

そう思って、

ドンヘの手を離そうとするけど、

あっと言う間にチカラを込められて…

そのまま、

ドンヘが振りむいた

DH「…逃げないで。ちゃんと、オレのこと見て！」

そう言われて、

逃げようとしていた足も止まって、

視線はドンヘに向かう

DH「オレ、ちゃんとしっかりとしたオトコになって、Aのこと、守るから！ホントにホントに“頼もしい”って言ってもらえるようになるから！」

ドンヘの瞳は潤んでいて…

だけど、

握る手のチカラは強くて…

言葉の“本気度”が伝わってくる…

DH「…それを、いまからちゃんと、宣言しに行くから……、ついてきて…」

そう言いながら、

アタシの手を引いて、

ドンヘが歩き出した…

“宣言”って……？

　

　