うねりずむ+β (ページ6)

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ふたりの長いイチニチ+06 ページ6

*

「A？」

優しく呼ぶ声…

その、優しい声で、

意識が戻ってきて

眠っていたんだと認識する…

「…ごめん、寝ちゃってた」

DH「ん、気持ちよさそうに寝てた(笑」

そう言いながら、

ドンヘは柔らかく笑う

その笑みが、

なんだか眩しくて

誤魔化すみたいに

「んー」って伸びをしてみた

DH「…A」

ドンヘが遠慮がちにアタシを呼ぶ

伸ばしたカラダを戻してドンヘに視線を向けるけど、

ドンヘは、

アタシにカラダを向けたまま俯いてた

そんなドンヘを不思議に思って、

ジッと見ちゃってる…

声をかけようか悩んでたら、

DH 「A、あのさ…」

ドンヘが小さな声で話し始めたから、

そのまま、

ジッと見たまま、

次の言葉を待つ…

DH「あのさ…、ちょっと、降りられる？」

「え？あ、うん…」

よくわからないまま頷けば、

ドンヘは安心したように笑った

「じゃあ、ちょっと待ってね」

そう言いながら、エンジンを切って、

あっと言う間にドアを開けて車の外に出た

そんなドンヘの行動を目で追っていると、

助手席のドアが開いた

少し身をかがめたドンヘが、

「A」って、優しく呼びかける

なぜだか、澄んだドンヘの瞳に吸い込まれて、

動くことも発することもできなくて…

そのまま、

ドンヘをじっと見たまま……

DH「A？どうしたの？」

ドンヘの声で我に返った

「う、ううん、別に…」

なるべく平静を保って、

車の外に出ようとすると、

サッとドンヘが手を差し出した

その手を見て、アタシの動きは止まる

これは…

差し出されてるこの手は…

握れってこと…？

ドンヘと手を繋いだことはあるけど、

ちょっと、いままでとは違う、と思う…

そう思うのは、アタシだけ…？

ドンヘの手を見たまま固まっていたら、

「どうしたの？ A、ねぼけてる？」って、

いつもどおりの“ドンヘ”のテンションで言ってきて

その言い方に我に返って、

「ねぼけてない！」って言いながら、

ドンヘの手を振り払って、車の外に出た

DH「えー、なにー？起こったのー？」

ドンヘの陽気な声が聞こえてきて、

余計にイラッとして、歩みを早めた

だけど、

すぐにドンヘに追いつかれて

DH「A、つかまえたー！」

あっという間に、手を握られた…

　