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両手をぎゅっと握ったままのAが、
ふぅーって大きく息をつく
片手でAの肩を抱いて、
もう片手は、
ぎゅっと握ってるAの両手を包み込んだ
「ドンヘ…」
DH「…ん？」
「アタシ、ね…」
DH「…うん？」
ゆっくり言葉を放つA
Aの両手をゆっくりなでながら、
次の言葉を待つ
「アタシ、怖い…」
DH「…怖い？」
思ってもいなかった言葉にビックリした
「…なにかが、変わっちゃいそうで、怖い、の…」
ポツン
Aの手を握るオレの手に冷たい感覚
それが、Aの涙だって気がつくのに時間はかからなくて、
Aの頬に手を添えて、
涙を拭う
Aの言葉と涙を目の当たりにして、
オレのココロと涙腺が緩んでいく…
だけど、
泣かないって決めたから
グッと堪えて…
ギュッとカラダにチカラを入れて…
なのに、
DH「…なにが、変わっちゃうと、思うの？」
って、言葉は震えた…
「…風化、するって」
DH「……風化？ なに、が？」
「…“想いは風化する”って」
“想いは風化する”って…
それって、
オレの想いが？
Aの想いが？
なんで、そんなこと…
DH「…そう、だれかに、言われたの？」
Aが小さく頷く
「……“カタチあるものはいつか壊れる”って」
DH「…なっ!?」
Aの言葉に、
思わず息が詰まりそうになった
いつか、どこかで、なんとなく、
オレも聞いたことのある言葉…
そんな言葉を、
Aに言わせちゃうなんて…
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作成日時：2015年10月15日 0時
