もう一回、後一回だけ。 (ページ1)

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１話ページ1

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「は？」

俺はコイツに何を聞かされているんだ。

あんな最低な別れ方をしたのに俺の所に戻ってくるなんてメンタルの強さも程々にして欲しい。

「私、やっぱりジスじゃなきゃ駄目だった」

ムカッときた。

今更そんなことに気付くなら付き合ってた頃に気付いてくれ。

「だからお前はいつまでも変わらないんだよ」

「俺はもうお前とは終わったって思ってる今までもそう思ってきた。忘れるのに何年もかかったのに今になって揺らすな」

当時、好意は勿論あった。あったからこそ散々尽くしてあげたのに此奴は人の気も知らずに浮気していた。

問い詰めた挙句『ジスは部活に勉強に忙しくて全然構ってくれないから』なんて自分のことすら棚に上げ始めて。

そんな奴だとは思わなかった。けどその件でそういう奴だと分かったから俺から振った。

丁度学生で勉強も部活も忙しかったのはその通りで別れてからはもっと打ち込めたから良かったと思った。

「ごめん」

「謝るならまず話しかけないでくれるかなー」

社会人になって学校内で鉢合わせるなんてこともなくなったから連絡は取らないようにして偶然どこかで会うなんてことも避けてきたのに。