ただの恋

31ありがとう ページ31

ライブも終わりに近いてきた


「あと、残すところ2曲なんですけども」


ファン「「「えぇーーーーーーーー」」」


「えぇーーーーー。私もえぇーーーだよ、永遠ライブやりたいよ、めっちゃ楽しいもん」

「でもね、時間は有限ですから」

「よし、ちょっとねここから真面目な話。」


田代さんにも演出サイドにもこの話をする事は言っていない


「私、新曲を作るにあたって思うように作れなくて、モヤモヤした感情があったままで、何書いてもゴミ箱に捨ててその繰り返しで。それで一度モヤモヤした感情に向き合ったら上手くいくかなってそれでできたのが“us”なの、」


客席が少しざわついた


「感づいてる方もいるかもしれないけど、私のリアル片思いを表現？と言うか、で書きました」


ファンの反応は何もない


「こんなこと本来なら言うべきじゃないし、黙っていればないのと一緒だし、これを皆いってすっきりするのは私1人だけだし、」


「デビューしてから今日まで5年？経ったけど今まで恋人なんて必要ないって、皆がいるし、雑誌とかでたまに言ってるけど恋人は作らないって覚悟で事務所入って、誰かと付き合う日がくるなら私が引退するときだなって思ってた」


「だけど好きで、、、消そうとしたんだけど消えなくて、、皆と同じくらい大事なの。選べなかった。」


「彼だけを想って“us”を書いたあとに、皆が浮かんで気がついたら”Baby don’t cry“を書き終えてた、
私のこの事実を知っても悲しまないで泣かないでほしいって、、意味で、」


「です」


反応はない、


言わなきゃよかった

単なる私のエゴだったんだ、、




パチパチパチ

小さく聞こえる拍手


パチパチパチパチパチパチパチパチ

それは次第に大きくなっていった


皆が立ち上がって拍手をしている、、



そんな姿は涙で見えなくなった



涙は人に見せるもんじゃないっ

後ろを向き涙を拭う



ファン「泣かないでー！！」

ファン「おめでとうー！！」

ファン「”Baby don’t cry”ありがとうー！！」


「いやっ、、おめでとうって、、、実ってないんだよまだっ、、グスっ」


「私の方がありがとう。。。」

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