５話〜ぎこちない二人〜 ページ5
瀬楽との“お付き合い”が始まって、早一週間。俺は未だにこの現実を受け止めきれずにいた。
だって、ずっと好きだったんだ。高校の入学式で見かけて、それ以来ずっと気になっていた。その憧れの人物が今、すぐ隣にいる。しかも俺の独り占めだ。
そんな夢のような状況を現実なんて言われても戸惑うしかない。
「あのさ、瀬楽？」
「なあに？」
「あ、いや……」
無言の時間がつらくて話しかけてみたけど、何を話せばいいのかなんてちっともわからなかった。
「……ごめん。やっぱり何でもない」
「そ、う？」
俺たちは一応付き合っているのだから、恐らく恋人同士という関係なのだろう。……全く実感はないけれど。
実際、俺が始めて瀬楽と会話をしたのは一週間前の空き教室なのだ。それが突然恋人になるなんて、そんな現実受け止めろという方のが難しい。
いや、うん。……確かにこうなる原因、というか告白したのは俺の方だ。ああ、確かに俺だ。
でもさ、言い訳だけど後半はむしろ俺の方が告白されているような、雰囲気だっ、た……？
そうだ。
そういえば、結局流れで押しきられて聞かずじまいになってしまったけれど、瀬楽はいつから俺のことを好きだったのだろか。
俺は瀬楽とは違い、特に目立った生徒ではなかった。クラスの違う瀬楽が俺の事を知っていたことに驚いたくらいだ。
俺が“ゲイ”だということを除けば、どこにでもいる普通の高校生だ。特別秀でた何かがあるわけでもなく、何もかも凡人かそれ以下だ。
そんな俺に、一目惚れしたなんてことは、まずあり得ないだろう。
じゃあ、何故？
どうして瀬楽は俺を選んだんだ？
いや、もしかしたらもっと根本的なところ。
そもそも瀬楽は俺のこと、好き……なのだろうか。
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三零(プロフ) - ハギノ ケイさん» 描写に関してはもっと勉強していきます。いろいろとご指摘、本当にありがとうございます。今後に生かしていけるよう努力していきます。長文失礼いたしました。 (2017年8月4日 0時) (
レス) id: 4cac8f9e1f (このIDを非表示/違反報告)
三零(プロフ) - ハギノ ケイさん» 貴重なご意見ありがとうございます。 ８話と９話の繋ぎ読み直したら、確かに場面が急に飛んでいるようで分かりにくい構成になっていました。修正をすることも考えましたが、申し訳ありません。今回はこのままいかせていただきます。 (2017年8月4日 0時) (レス) id: 4cac8f9e1f (このIDを非表示/違反報告)
ハギノ ケイ(プロフ) - タメ口失礼する。とても好み。語り手の瀬楽が好きな感じが伝わってくる文や瀬楽の描写がとても良い。ただ、8話と9話の繋がりが微妙なのと、さっき述べた描写以外の描写が少ないのが気になる。……もっと隅々に気を使えれば、もっと素敵になる。続きに期待(￣+ー￣) (2017年7月31日 1時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
三零(プロフ) - Sly Blueさん» 素敵なコメントありがとうございます。これからも喜んでいただけるよう努力していきますので、応援お願いします。 (2017年7月29日 18時) (レス) id: 4cac8f9e1f (このIDを非表示/違反報告)
Sly Blue(プロフ) - 続きがとっても気になる作品で、今凄くゾワゾワしてます汗 続き楽しみにしてますね♪長文失礼しました。 (2017年7月29日 15時) (レス) id: 69733aeb02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三零 | 作成日時：2017年7月28日 15時
