８話 ページ9
俺は無意識に彼女を抱きしめていた。
これ以上にないくらい。強く。安心からか、涙も自然にこぼれてきていた。
「ゾム…泣いてるの…？」
「当たり前や…お前がいなくなるんかと思うて…怖かったっ…」
耳元からも彼女の嗚咽が聞こえてきた。
「一か月きてくれなかったあの時も…Aは俺を捨てて、もう戻って来てくれないんじゃないかって…ずっと思ってたっ…」
「ゾム、ゾムっ…ごめん、ごめんね」
「俺が側にいればAはあんなことにならなかったんにな…っ」
「そんな、ゾムのせいじゃないよ…」
「いや、Aがこんな苦しい思いをしてるなんて知らなかった…俺が甘かったんや…」
あの時、Aが嘘をついてるってわかってたのに。
寄り添ってやれていれば、守っていれば…そんな後悔ばかり頭を支配している。
だから…俺は……。
俺は抱きしめていた体を離し、彼女を見つめた。
いつもはフードをしていたけど、今はフード分の視界が鮮明で、Aをしっかりと捉えている。
「さっき唐突に出てもうたけど、改めて言わせてくれ」
俺は大きく息を吸い、覚悟を決めた。
「A好きや。俺がお前を一生守る。だからずっとそばにいてほしい」
俺の詰まらない日常を変えてくれた彼女。
出会ったその瞬間から、俺を虜にした彼女。
１か月会えなかっただけで寂しくなっている、寂しがりやな彼女。
最後は俺の方が当てはまるか。
そんな彼女を。
「私も大好きだよ」
─────── ずっとそばで守ってやる。
俺は再び彼女を引き寄せ、優しくキスをした。
─────── キーンコーンカーンコーン
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 63人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美蘭(プロフ) - みるくけーきさん» こちらでもコメントありがとうございます|´-`)ゾさんはもう言葉1つ1つがかっこよすですよ…尊い(白目) (2020年2月20日 12時) (
レス) id: 9739ce79c0 (このIDを非表示/違反報告)
美蘭(プロフ) - かろんさん» コメントありがとうございます！私の妄想が詰まった作品にお褒めの言葉をいただけるなんて光栄です|´-`)！ありがとうございますm(_ _)m (2020年2月20日 12時) (レス) id: 9739ce79c0 (このIDを非表示/違反報告)
みるくけーき - 好き…ゾさんがかっこよすぎて…あっはは神ですね (2020年2月19日 0時) (レス) id: 2b54f5af73 (このIDを非表示/違反報告)
かろん(プロフ) - 好きすぎぃ！そしてゾニキかっこよ！惚れるぅ！すべてにおいて神 (2020年2月18日 23時) (レス) id: f343c05a77 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美蘭 | 作成日時：2020年2月18日 20時
