コード・ブルー 〜 ドクターヘリ緊急救命 No.1 〜

第9話 ページ10

脳神経外科では…





藍沢「コンバインドペットローゼルで全摘出すれば、聴力も残せるな…」

新海「舌下神経管を開いて実野を広く取れば、より確実だよ」

藍沢「ああ」

新海「今朝の救命の患者、駄目だったんだって？」

藍沢「ああ」

新海「お前も案外人がいいよなぁ
古巣の頼みは絶対断らない…でも大丈夫か？」



タブレット端末を操作していた指が止まる



藍沢「何が言いたい」

新海「俺はきちんと腕で認められてトロント大に行きたいんだよ
藍沢が救命に振り回されたおかげで新海が行けたとか、言われたくないからな」

藍沢「お前は自信家だな」




・




・



藤川「緋山もしつこいよな？
俺達も理由は知らないって言ってるのに」



そんな事をスタッフステーションで話していると



緋山「はぁ？病院から40分？
そんな遠いホテルしか取れないの？何のための火災保険よ！」



怒りながら電話してる緋山が歩いて来た



藤川「触らぬ神に祟りなしだ」



白石達は緋山に近付かないように、そっと椅子に座った



緋山「私医者なのね！病院に近くなきゃ意味ないの
え？ うん、探して、今日中に連絡する？今日中って何時？
はい、分かった
1時間後ね、絶対電話してきなさいよ！？」





電話を終えた緋山




緋山「ねぇ、白石あんたの家って病院からどれくらい？」

白石「遠いよ？1時間くらい」

藤川「え？こっから車で5分って言ってなかった？」





白石の回避術を簡単にへし折る藤川




緋山「あっ！近いじゃん
しばらくあんたのとこ泊めなさいよ」


白石「しばらくって何日くらい？」

緋山「1ヶ月くらい」


白石「うわっ！ごめん、無理」

緋山「…なんなの？家はめちゃくちゃ
今日寝る場所なければ着替え1枚ない
その上職場は人手不足で、扱う症例ははっきり言ってつまんない
やってらんないんだけど」

白石「分かるけど…」

緋山「せめて藍沢とA戻せない？」

藤川「だよな〜俺もそれが1番いいと思ってたんだよ」

緋山「今日だって来てたじゃん」

白石「でも救命には戻らないって…」

緋山「あそこでもう一押しすればよかったでしょ」

藤川「そうだよ
もうちょっと言えば、あいつらもうんって言ったかもしれないよ？」

緋山「うるさい！」



藤川の同意見にも腹をたてる緋山



緋山「白石、あんたスタッフリーダーでしょ？
言ってきてよ」

白石「私が？」

緋山「藍沢とAに戻って来いって」





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