148「娘は、我が死なせぬ」 ページ7
ティラノサウルスよりも強いという恐竜は、「ロックスター」と言うらしい。ここら辺のボスで、獣の山ってところの洞穴に住んでいるようだ。
「ボスなら決まりじゃー！」というじっちゃんの意見で、そのロックスターのオーラをもらうことになった。
なったんだけど。
A「明日なんだね……」
霧野「トーブが寝てしまったからな」
A「早起き苦手だから、誰か起こしてね……」
菜花「任せるやんね！」
いの一番にトーブが眠ってしまったので、ロックスターのところへは明日行くことになった。
そしてもうみんな寝るみたい。早くない？
あたしぜんっぜん眠くならないんだけど……九尾がすっごくざわついてる……今日は満月でもないのに……。
『眠れないのか』
A「誰のせいだと思ってるのさ……」
『今宵は満月ではなかろう？』
A「そうだけども」
けど、なんか、落ち着かないんだ。
散歩でもしようかな、寝不足決定だけど。
.
『よいところだな、ここは』
A「そうだね。空気も澄んでるし」
崖の淵に腰掛けて、九尾と話す。
珍しく姿を見せた九尾は、ゴッドエデンで見せた姿よりもひと回りほど大きくなっている気がした。……成長期ですか？
『我が昔いた土地と似ている』
A「昔？」
『3000年ほどな』
A「さ、さんぜん……」
珍しく語り出したと思ったら、なんかすっごい昔の話だった。すっごいどころじゃないけど、すっごい。
A「九尾、あのね、聞きたいことがあるんだ」
『ああ』
A「……君は、化身じゃないの？」
ざあっと風が吹いて、九尾の銀の毛並みを揺らす。紅い瞳があたしを捉えて、優しく細められた。
『クロトに聞いたのだな』
A「うん。そのせいであたしは死ぬって」
『死ぬと決まったわけではない。娘が生きる可能性は、十分にありうる』
思ってもみない言葉に、目を見開く。
……あたしは、死ななくて済む……？
『我は化身ではない。それは事実だ』
A「じゃあ、本当は……？」
『娘が知るにはまだ早かろう』
A「えー、教えてくれないの？」
がっくりと大げさにうなだれると、九尾が口角を上げて、鋭い牙をちらりとのぞかせた。
『娘、我を受け入れよ。そうすれば必ず、我は娘の欲するものに応えよう』
A「受け、入れる……？」
『いずれ分かる。だがこれだけは約束しよう』
九尾があたしの頬に顔をすりつけて、言った。
『娘は、我が死なせぬ』
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haru(プロフ) - とても好きです。続きを楽しみにしてます！ (2018年12月14日 22時) (
レス) id: 50d52a8ffe (このIDを非表示/違反報告)
ぐれーとまっくすな手毬。(プロフ) - 柑橘系さん» コメントありがとうございます、返信遅くなりすみません……。ひええ、勿体無いお言葉です、ありがとうございます！！更新再開とはまだ断言できませんが、なるべく頑張りたいと思います。目指せ完結！！ (2018年3月9日 21時) (レス) id: 8cdc93238d (このIDを非表示/違反報告)
ぐれーとまっくすな手毬。(プロフ) - わたあめ☆さん» 返信遅くなりました！コメントありがとうございます。更新停止しておりましたが、とりあえず1話だけ更新ということで戻ってまいりました。とにかく完結させたいです、今後ともよろしくお願いいたします！ (2018年3月9日 21時) (レス) id: 8cdc93238d (このIDを非表示/違反報告)
柑橘系 - 一番最初から読ませていただきました！！すごく面白いし夢主ちゃん可愛いしで最高です！これからもこの小説を楽しみに生きていきます！頑張ってください！！！ (2017年6月22日 21時) (レス) id: 04654b2bed (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ☆ - 更新停止したんですかぁ〜。すきだったのにぃ〜。それでも、また戻って来ることを信じてます。頑張って下さい。 (2017年6月1日 6時) (レス) id: 8ff80f4586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぐれーとまっくすな手毬。
| 作者ホームページ：＼(゜ロ＼)ココハドコ? (／ロ゜)／アタシハダアレ?
作成日時：2015年7月22日 13時
