172「新たな、運命の糸」 ページ32
ﾄﾞﾗｺﾞﾝ「この双子が、あなたの因果の始まりです」
A「……ちょっと、待ってください」
ドラゴンさんが話し終えて、あたしは混乱の中にいた。
なに、今の話。こんな、おとぎ話みたいな、現実味のない話が「あたしの力の理由」？
ﾄﾞﾗｺﾞﾝ「A、あなたの母の名は？」
A「撫子、です」
ﾄﾞﾗｺﾞﾝ「では、双子の母の名は？」
A「撫子……、ってそんな、だっておかしいじゃないですか」
ﾄﾞﾗｺﾞﾝ「おかしい、とは」
A「この話がどうして、あたしと関係があるんですか。こんな、意味のわからない……、まるでおとぎ話です」
あたしが今、冷静でないのはわかっている。きっとドラゴンさんの言うことはどうあっても真実で、覆しようのないもので、嘘はない。
おかしいのはあたしで、ドラゴンさんは正しい。
クロト様のお知り合いが話すことは、どれだけ突飛でも、信じるほかに手はない。
ﾄﾞﾗｺﾞﾝ「あなたの母は、ここでない別の星の巫女の、生まれ変わりです」
A「……その子供は、双子の生まれ変わりだとでも？」
ﾄﾞﾗｺﾞﾝ「ええ」
「正確には、その力を二人分受け継いだ、ということですが」と、ドラゴンさんが淡々と言い放つ。
ﾄﾞﾗｺﾞﾝ「あなたがするべきは、双子の因果を終わらせること」
A「その因果を終わらせることができないことは、あたしの死を意味する、と、？」
は、と息がもれた。妙に乾いた声で、「笑わせないでください」と言っていた。誰が言ったんだろうって考えて、あたししかいないって気付いた。
こんな風に笑えるんだ。
ﾄﾞﾗｺﾞﾝ「これまでにその因果で、双子の生まれ変わりが命を落としました」
ドラゴンさんの長いヒゲが、あたしの頬を撫でた。
ﾄﾞﾗｺﾞﾝ「彼女たちは、必ず『双子の姉妹』で生まれて、それで同じ運命を辿ったのです」
A「……あたし、双子じゃないですよ」
ﾄﾞﾗｺﾞﾝ「そう。あなたは双子ではない。だからこそ、可能性があるとクロトが踏んだのです。
唯一、あなたにだけ見えた。これまでの子にはなかった、新たな運命の糸が」
フッと緩んだドラゴンさんの目元が優しく細められる。警戒しないで、と、言われているような気分。
A「新たな、運命の糸」
ﾄﾞﾗｺﾞﾝ「ええ、そうです」
今度は直接すり寄ってきたドラゴンさん。思いの外もふもふしている……。
ﾄﾞﾗｺﾞﾝ「私たちは、あなたに生きて欲しい」
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haru(プロフ) - とても好きです。続きを楽しみにしてます！ (2018年12月14日 22時) (
レス) id: 50d52a8ffe (このIDを非表示/違反報告)
ぐれーとまっくすな手毬。(プロフ) - 柑橘系さん» コメントありがとうございます、返信遅くなりすみません……。ひええ、勿体無いお言葉です、ありがとうございます！！更新再開とはまだ断言できませんが、なるべく頑張りたいと思います。目指せ完結！！ (2018年3月9日 21時) (レス) id: 8cdc93238d (このIDを非表示/違反報告)
ぐれーとまっくすな手毬。(プロフ) - わたあめ☆さん» 返信遅くなりました！コメントありがとうございます。更新停止しておりましたが、とりあえず1話だけ更新ということで戻ってまいりました。とにかく完結させたいです、今後ともよろしくお願いいたします！ (2018年3月9日 21時) (レス) id: 8cdc93238d (このIDを非表示/違反報告)
柑橘系 - 一番最初から読ませていただきました！！すごく面白いし夢主ちゃん可愛いしで最高です！これからもこの小説を楽しみに生きていきます！頑張ってください！！！ (2017年6月22日 21時) (レス) id: 04654b2bed (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ☆ - 更新停止したんですかぁ〜。すきだったのにぃ〜。それでも、また戻って来ることを信じてます。頑張って下さい。 (2017年6月1日 6時) (レス) id: 8ff80f4586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぐれーとまっくすな手毬。
| 作者ホームページ：＼(゜ロ＼)ココハドコ? (／ロ゜)／アタシハダアレ?
作成日時：2015年7月22日 13時
