170「やめなさい」 ページ30
A「あ、あの〜」
「あたしの持つ力の意味」とやらを話してくださるらしい、マスタードラゴンさん。でもあたしは、その話をされるそもそもの意味がわからないでいた。
それに、目の前にいるこの人(人ではないけれども)が、どういう存在なのかもわからない。
そこでとりあえず、一番気になる質問をしてみることにした。
A「クロト様と、お知り合いですか」
ﾄﾞﾗｺﾞﾝ「ええ。孔明も、アーサー王も、それからそこの咲耶と……九尾も。皆、私の知った顔です」
A「……そんな気がしてました……」
そして予感は当たってしまった……。
だいたい、今までこういった話をしてくれたのはクロト様のお知り合いばかり。もういい加減察する。
ていうか、クロト様の交友関係おかしいと思うんだよね。ドラゴンって……そもそも人外……。
ﾄﾞﾗｺﾞﾝ「クロトったら、本当に話さないのですね」
ふふふ、と楽しそうに笑うドラゴンさんは、目を細めてあたしを見つめる。緑とも青とも言えない、微妙な色の瞳が、妙に優しく思えた。
ﾄﾞﾗｺﾞﾝ「咲耶、九尾。あなたたちも出てきてはどうです」
「そろそろ形を保てるでしょう」と、意味不明な言葉とともに、あたしの両サイドに何かの気配を感じた。
右に見たことのある風貌の女の人と、左に白い尾を九つ持つ狐が腰を下ろしていた。
……えっ。
咲耶「この姿で会うのは初めてですね」
九尾「ふん。やっと姿を保てるようになったか、咲耶」
A「あの、」
咲耶「うふふ。誰のせいだと思っているんです？あなたの力を抑えるために、私の力が必要だったのでしょう」
九尾「その程度で姿を保てなくなるとは……貧弱だな」
A「えっ、待って、」
あたしの右側の女の人、サクヤって呼ばれてるけど、え？咲耶姫？ていうか何で九尾と喋ってるの？
ていうか主人は置いてけぼり？
ﾄﾞﾗｺﾞﾝ「あなたたち、いい加減にしてください」
A「いやあの、これは一体どういう……」
ﾄﾞﾗｺﾞﾝ「薄々わかっているのでしょう、あなたの化身たちです」
九尾「我は化身ではない」
咲耶「化身になれなかった中途半端な存在ですね」
九尾「……なんだと」
一切ついていけていないあたしを尻目に、突然二人(一人と一匹)は一触即発の事態。
ど、どうしよう。何で喧嘩してるんだろう！？
咲耶「そうでしょう？だってあなたは、そ……」
ﾄﾞﾗｺﾞﾝ「やめなさい」
……あ、ドラゴンさん、めっちゃ怒ってる。
171「桜と、炎の巫女に誓って」→←169「ううん、平気だよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
haru(プロフ) - とても好きです。続きを楽しみにしてます！ (2018年12月14日 22時) (
レス) id: 50d52a8ffe (このIDを非表示/違反報告)
ぐれーとまっくすな手毬。(プロフ) - 柑橘系さん» コメントありがとうございます、返信遅くなりすみません……。ひええ、勿体無いお言葉です、ありがとうございます！！更新再開とはまだ断言できませんが、なるべく頑張りたいと思います。目指せ完結！！ (2018年3月9日 21時) (レス) id: 8cdc93238d (このIDを非表示/違反報告)
ぐれーとまっくすな手毬。(プロフ) - わたあめ☆さん» 返信遅くなりました！コメントありがとうございます。更新停止しておりましたが、とりあえず1話だけ更新ということで戻ってまいりました。とにかく完結させたいです、今後ともよろしくお願いいたします！ (2018年3月9日 21時) (レス) id: 8cdc93238d (このIDを非表示/違反報告)
柑橘系 - 一番最初から読ませていただきました！！すごく面白いし夢主ちゃん可愛いしで最高です！これからもこの小説を楽しみに生きていきます！頑張ってください！！！ (2017年6月22日 21時) (レス) id: 04654b2bed (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ☆ - 更新停止したんですかぁ〜。すきだったのにぃ〜。それでも、また戻って来ることを信じてます。頑張って下さい。 (2017年6月1日 6時) (レス) id: 8ff80f4586 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぐれーとまっくすな手毬。
| 作者ホームページ：＼(゜ロ＼)ココハドコ? (／ロ゜)／アタシハダアレ?
作成日時：2015年7月22日 13時
