165「これが、九尾の力」 ページ24
Aの動きが止まって、妙にニヒルな笑みを浮かべた、その直後。
ゴウ、と強い風が吹いて、視界が遮られた。シュートの行方も読み取れない。
レイ「想定外の事態、対処不可能」
ﾌｪｲ「なんだ、この風……！」
レイ・ルクたちの起こしているものではないらしく、僕を含めた雷門のみんなも困惑していることから、原因はAだろうと予測がついた。
この、風に混じって舞っているのは……桜？でも、一体どうして……。
A「……すごい、これが、九尾の力」
うわ言のような、そんな言葉が風の音にかき消されながらも、かろうじて僕の耳に届いた。
……そして、次の瞬間、風がやんだ。
天馬「先輩……？」
ﾌｪｲ「その姿は、」
残り風に長い髪をあおられながら、ボールを足で押さえたAが立っていた。
赤いリボンで高く一つに結われた、薄桃色だったはずのその髪は白銀に。そして、ひらかれた瞳は真紅に輝いていた。
A「ミキシトランス、九尾」
静かに告げられたその名は、たしかにAの化身であったはずのもの。けれど、化身の力はアームドでしかまとえないはずだ。
ﾌｪｲ「どういう、こと？」
A「やっぱり九尾は、化身じゃなかった」
天馬「化身じゃないって……じゃあ一体」
A「分かんない！」
天馬の問いに、困ったように笑ってAがそう答えた。
神童「……その力、使って大丈夫なのか」
霧野「その力をはじめに使った時、お前、倒れたろ」
A「大丈夫、平気だよ」
不安げなメンバー(一部を除く)に頷いてみせて、そのまま攻め上がっていく。すごいスピード、レイ・ルクたちの比じゃない。
レイ「新たな力を確認した。桜庭A、やはりお前は、」
A「おしゃべりはほどほどにね！」
いとも容易くレイ・ルクを抜きさったAは、そのままシュートを放って、あっけなく決めてしまった。
スコアは3-9。追加点は入った、けど。
なんだろう、あの強烈なパワー。まるで、セカンドステージ・チルドレンを連想させるほどの、圧倒的な力。
.
……そんな、まさか、ね。
.
いや、そもそもAは過去の人間。彼女のいた時代には、「セカンドステージ・チルドレン」なんていう概念はなかったはずだ。
だからきっと、そんなはずはない。
……ない、よね？
.
.
あたしの気づかない間に、胸元の石は乾いた音を立てて、またヒビをひろげていた。
……そう、もう割れそうなほどに。
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haru(プロフ) - とても好きです。続きを楽しみにしてます！ (2018年12月14日 22時) (
レス) id: 50d52a8ffe (このIDを非表示/違反報告)
ぐれーとまっくすな手毬。(プロフ) - 柑橘系さん» コメントありがとうございます、返信遅くなりすみません……。ひええ、勿体無いお言葉です、ありがとうございます！！更新再開とはまだ断言できませんが、なるべく頑張りたいと思います。目指せ完結！！ (2018年3月9日 21時) (レス) id: 8cdc93238d (このIDを非表示/違反報告)
ぐれーとまっくすな手毬。(プロフ) - わたあめ☆さん» 返信遅くなりました！コメントありがとうございます。更新停止しておりましたが、とりあえず1話だけ更新ということで戻ってまいりました。とにかく完結させたいです、今後ともよろしくお願いいたします！ (2018年3月9日 21時) (レス) id: 8cdc93238d (このIDを非表示/違反報告)
柑橘系 - 一番最初から読ませていただきました！！すごく面白いし夢主ちゃん可愛いしで最高です！これからもこの小説を楽しみに生きていきます！頑張ってください！！！ (2017年6月22日 21時) (レス) id: 04654b2bed (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ☆ - 更新停止したんですかぁ〜。すきだったのにぃ〜。それでも、また戻って来ることを信じてます。頑張って下さい。 (2017年6月1日 6時) (レス) id: 8ff80f4586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぐれーとまっくすな手毬。
| 作者ホームページ：＼(゜ロ＼)ココハドコ? (／ロ゜)／アタシハダアレ?
作成日時：2015年7月22日 13時
