-四九頁目- おまけ三 あなざーすとーりー ページ49
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時間はどんどん過ぎていった。
ぼくはふあんになった。お姉ちゃん、忘れものをとりにいっただけなのに……。
「 来んなぁ…お姉ちゃん 」
「 う、うん…… 」
おじちゃんもしんぱいしてくれてる。
「 もう店閉めてまうし……、なぁ、お代はええし暗いから家泊まってくか? 」
おじちゃんの人柄の良さはこのまち一番だ。たしかにくらいしこわい。ここはおじちゃんの言う通りにしてとめてもらおうと思った。
お母さんがまだ生きていたとき、おじちゃん家にはお姉ちゃんと一緒にあそびにいったことあるし、そのときはたくさんめんどうを見てくれていた。
でも、なんとなく、それはだめってかんじがした。
あたまの中がまたぐるぐるしはじめる。またや、またいやなかんじや!
「 え、ちょ── 」
「 おじちゃん!!ごめんね!!ぼくお姉ちゃんのとこ行ってくる!! 」
おじちゃんのあせった声が聞こえたけど無視した。そんなことよりもお姉ちゃん。
ぼくは走っていた。お姉ちゃんに振り返っちゃだめって言われたのに、来た道を今もどってしまってる。
お姉ちゃん、おこるかな。でもしんぱいさせるお姉ちゃんがわるいんだから!
走ってるとちゅうに、いやなにおいがした。何か、こげているような……、農家さんが焚き火しているときのような、鼻にのこるようなにおい。
「 え── 」
ぼくはことばをうしなった。口を開けて、その光景をしばらくじっと見ていた。
「 え、あ、ぅ……え?な、、え? 」
にほんごにならないよ、それじゃあ。
しょうがないよ、だって、
「 も、もえ……ぁ、ぉ、お姉ちゃん!! 」
自分でもびっくりするくらいのおおきな声が出た。
だってもえてるんだもん。
お母さんもお姉ちゃんもお父さんも家政婦さんたちもいたこのぼくにとってはまだ浅いけど思い出がいっぱいのはずの家が……もえている。
ポロポロ頬に涙が落ちた。うそや、うそや、うそやうそやうそやうそやうそや!!
「 あ、ぉ………おね、ちゃ…、 」
「 !お、おいっ!おめーなにやってんだ!!あぶねぇぞ!! 」
誰かの声が聞こえた。でもきれいな赤髪なのは見えた。ひっぱられるように首根っこをつかまれた。
お姉ちゃん……お姉ちゃ、
「 おねぇちゃんんんんんんん!! 」
そしてぼくは見えてしまったんだ。こんな暗闇でも映える黒髪と、銀髪を───
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**雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂) - わ、そうですよね、不躾な質問をしてしまい申し訳ありませんでした…!!勿論です!これからも応援させていただきます! (2021年1月2日 14時) (レス) id: d23b4dd949 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - **雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂)さん» 初めまして!ありがとうございます。質問の件なのですがそれを言ってしまうとネタバレになってしまうので控えさせていただきます……(><)お答えできず申し訳ないです。それでもまだこの作品を読んでいただけるのなら幸いです (2021年1月2日 11時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
**雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂) - 初めましてコメント失礼します!質問なんですが、弟くんはどうなるのですか? (2021年1月2日 3時) (レス) id: d23b4dd949 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - ポンポネッラさん» コメントありがとうございます!!そうですよね、神ですよ。あの3人組は!いつか高杉さんとヤクルコの話書きたいです← (2019年11月25日 15時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
ポンポネッラ(プロフ) - あら!東雲さんと愉快な仲間たちの過去が覗けるなんて.......尊い(ぐへ) 個人的にショタ塾組は神だと思ってます。はい。 (2019年11月25日 4時) (レス) id: 96af192ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年11月4日 17時