松下村塾の悪ガキさん 壱 【銀魂】

-十七頁目- いなくなったな… ページ17

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最近、昼頃にあった楽しみがなくなった。







窓の外を見れば岩に必死に打ち込むあの人がいたのに、最近はいない。







僕は……僕だけに見せてくれたあの笑顔を見てたかったのに。お母さんが死んじゃって、お父さんもおかしくなっちゃって、僕にはもう、あの人しかいないのに。







ドーン、と置かれている巨大な岩を見て僕は眉を下げた。悲しい気持ちでいっぱいだな。寂しいよ。







もう見飽きた、部屋を取り囲む本棚。あの人が勉強をちょっとしかしない分、僕がたっくさん勉強しないといけないんだ。







それで、あの人が笑っていてくれるなら、僕が辛い思いをしてもいいんだ。







そしてその笑顔を、お母さんと似ているあの綺麗な笑顔を…、優しい光を…、僕にだけに向けてくれたら…。







あの人は眩しすぎるからきっと大人になったら色んな人に愛される。僕が守らなきゃ。




「 ちょっと来なさい 」







あの怖いお父さんからも、道場の子達からも、







「 う、うん… 」

「 そこは“はい”だろうが！！ 」

「 は、はい！すみません… 」







僕がさ、守るからさ、









こっち見てね、お姉ちゃん(・・・・・)

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