-十三頁目- 認めたくない存在 ページ13
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「 何をしている 」
その言葉はAの脳に、耳に、心に、ズシンと重みを感じさせるものだった。
呼吸をするのも、忘れてしまう。
「 ……A。これはお前がやったのか 」
「 ……はい。
────う"ぁっ!! 」
左頬に電気が走ったような痛みが襲いかかってきて、気づけば道場の壁に吹き飛ばされていた。
ドンッとぶつかった背中がヒリヒリする。竹刀で打たれた頬がズキズキする。
でもそんな痛みなんて、何回目だろうか。
もはや痛みすら感じなくなってきてる。
化け物みたいに。
父がぐんぐん近づいてきていおりの頭を乱暴に掴み、無理矢理立たされる。よろけるがなんとか立て直した。
「 あれほど道場には入るなと言っただろう 」
「 は……はい 」
「 じゃあ何故踏み入れている 」
「 そ、それは… 」
一瞬だけ、チラッと凛太郎を見た。いおりが道場に足を踏み入れた理由はほぼ凛太郎のせいだからだ。
いおりの前での父と道場での父は態度が違うのだろうか。少なくともいおりの前では父は低く、唸るような声だ。
父の聞いた事のない声だからか、周りの子達は怯えた表情をしていた。無論、先程起き上がった凛太郎も。
いおりは一息つくと、
「 ………て、手合わせをやってみたかったからです。き、聞けば、道場で一番強いのは…彼だと、聞いたので… 」
「 ……! 」
「 ほぉ… 」
凛太郎はまたもや大きく目を開き、父はすぅっと目を細める。
すると、いおりの世界は“反転していた”。木目調の天井ではなく、青くて広い空が映っていた。
ここで、───あぁ、投げ飛ばされたんだな。って思う。
立ち上がって父を再び見ると、厳しい目をしていた。こういう時は大抵仕置きをされる。
はぁ、と小さくバレないようにため息をついた。いおりはもうくたくただった。でもまだ彼女には行きたいところがある。紛れもない吉田松陽の元だ。
「 ( …そうです、確か棚に草餅があった筈だから、持っていきましょう。吉田松陽と白髪の男の子の分を持って ) 」
けれどもいおりの表情は暗いままだった。
❁❁❁
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**雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂) - わ、そうですよね、不躾な質問をしてしまい申し訳ありませんでした…!!勿論です!これからも応援させていただきます! (2021年1月2日 14時) (レス) id: d23b4dd949 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - **雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂)さん» 初めまして!ありがとうございます。質問の件なのですがそれを言ってしまうとネタバレになってしまうので控えさせていただきます……(><)お答えできず申し訳ないです。それでもまだこの作品を読んでいただけるのなら幸いです (2021年1月2日 11時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
**雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂) - 初めましてコメント失礼します!質問なんですが、弟くんはどうなるのですか? (2021年1月2日 3時) (レス) id: d23b4dd949 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - ポンポネッラさん» コメントありがとうございます!!そうですよね、神ですよ。あの3人組は!いつか高杉さんとヤクルコの話書きたいです← (2019年11月25日 15時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
ポンポネッラ(プロフ) - あら!東雲さんと愉快な仲間たちの過去が覗けるなんて.......尊い(ぐへ) 個人的にショタ塾組は神だと思ってます。はい。 (2019年11月25日 4時) (レス) id: 96af192ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年11月4日 17時