幕府のボディーガードさん4【銀魂】

第199訓 恋愛初心者と愛の追求者とただのぬいぐるみ ページ49

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あのギャルっ娘は相当いい子らしい。ギャルっていったらハロウィンで騒ぎまくってゴミを捨てて行く人らかと思っとった。

｢姉ちゃん、そんなに無理して周りに喧嘩売らなくていいんだぜ｣



｢そうしたらあの子……なんて言ったと思う？｣

｢無理？｣

｢そう……分かってるじゃないか。僕はそれを言われた時頭が真っ白になった。そうそれは白いキャンバスのように！｣
｢究極にウザイ｣
｢どこに“きゃんばす”なんてあるん？｣

｢姉ちゃんそこじゃない｣


ありゃ、違うんか。

チャラ男さんはそこで頭を抱え始めた。整えられていた髪がぐしゃぐしゃになってしまった。



｢だから、だからさぁ……俺、ついカッとなってあの子を……その、や、やっちゃったんだよガバァっ！！｣


私は思いっきりチャラ男さんを殴り飛ばした。ぬいぐるみさんがえええっ！と驚いとるけどこの反応が普通やない？？


｢ちょっと姉ちゃんなにやってんのォ！？｣

｢やっちゃった？やっちゃったってアレか？カタカナの方の『ヤ』か？いくらあのギャルっ娘さんがハロウィンで街中にゴミを捨てていく子やったとしてもな、それはアカンで｣

｢おい姉ちゃん、変な設定ぶち込んで周りに喧嘩売るなよ｣



のそり、と起き上がったチャラ男。……加減しすぎたか…


｢もう姉ちゃんが悪者でいい？｣



｢……俺は、カタカナの方の『ヤ』をやったわけじゃない。それ同等にまずいことさ｣

｢同等にまずいこと？｣


｢………………ついカッとなった俺は、あの子を
──────────────殺したんだよ｣



｢……は？｣


｢最初はあの子が俺のものになったんだって嬉しかった。けれどあの子は息をしていない。笑ってくれない。言葉を交わしてくれない。それで気づいたんだ、『ああ、間違ってる』って｣

｢おいちょっと待て、お前今あのギャルっ娘殺したって言ってるがじゃあなんでギャルっ娘は生きてんだ？｣

｢それはぬいぐるみ野郎、アンタが一番知ってるはずだ。お前の持つその石のおかげさ。俺達の種族が生産してる現在を巻き戻す石｣



説明し終わった後チャラ男さんは目を伏せた。
悲しそうに。



｢俺があの子を殺してしまったことであの子の人生が狂ってしまったんだ。死が、あの子にまとわりついている

…何度も繰り返していくうちに、いつもしていた会話の内容がちょっと変わった。あの子は言った、『可愛いぬいぐるみがほしい』……と｣



これを聞いて、叶えてあげれば何か変わる気がしたと、チャラ男さんは語った。ぬいぐるみさんがぬいぐるみになったんはこういうことやった。

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