幕府のボディーガードさん4【銀魂】

第171訓-■■■篇-二一 音を拾う ページ21

【いおりside】




ドォン！と爆発する音が聞こえ、床が揺れた。
ウチはなんとかして倒れまいと、体幹を駆使して耐えた。





「(何が起こっとるんや。しずきは無事？他のみんなも……。)」





何度も起こる爆発音に、(敵襲？)といおりは考えていた。なんせ天人には恨みを持たれててもしょうがなかったから。





「(ここ数日外には出んかったけど……、確かここ船やよね？他の商人が乗っとる船と、紛れとるはずやから居場所は割れないと思っとったけど。)」





あからさまに「襲いに来ましたよ！！」と仲良い友達の家に押しかける感覚で来てるような単純な行動。


賢い天人もいるけどそのまた逆も然りって事か……。


とにかく、ウチは何とかして人の足音や細かい音まで注意深く聴いた。結構バタバタしている。


しずき達の無事を祈りながら走っていると一つの部屋を通り過ぎる。





「(……ここ、部屋あったっけ。)」





覚えてないのも仕方ないかもしれない。ここは本当に部屋の数は多いから。住んでいる人だって何十人もいるし、その中でもほとんどが体の大きい男の人だ。女の人もいるけど。


昔から(・・・)この船を拠点としている筈なのに覚えていないのはなんでなんやろう。


するとズキッと頭が痛んだ。でもその痛みは一瞬でその後はまたあのノイズ音。



無意識のうちに襖に手をかけ開けようとした時、耳の良いウチに拾われた声があった。





「(しずき……？)」





またそっと耳を澄ました。聞こえたのはしずきの怒声。






「警察が、こんなことしてもいいと思ってるのか！？何故僕の邪魔をする！」



「(邪魔……？)」




また、別の声が聞こえる。









「姐さんを返せ。」









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