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第122訓-柳生篇-二二 男の尊厳 ページ22

凛とした声が耳に届いた。この声は紛れもない柳生さんの声だった。耳はいいはずなのに弟を聞き取れてなかった……!お喋りに夢中になりすぎた、と今しても遅い後悔を噛みしめ、気づかれないよう顔を顰めた。





「君とは戦ってみたいと思ってたんだ。」

「私はあんまし戦いたくなかったのぉ。」





その言葉が合図か、柳生さんは走りだし、私は新八さんの腰にある木刀を引っこ抜き真っ直ぐ突いてくる剣先を受け止めた。




ガンッ、




「ちょ、Aさん!?」

「すまん新八さん借りるわ!代わりと言ってはなんやけどこの短刀使ってくれ!」

「えぇ!?」




柳生さんを蹴り飛ばし、私の胸にしまってあった短刀を新八さんの方へ投げた。

ワタワタしとる彼をチラッと見た後、蹴り飛ばした方向へ走り上から一直線に木刀を振り下ろす。

柳生さんはそれを見切り、かわした。けれど引かない。押して押して押す。攻め続ける。

柳生さんが竹林に入っていく。
木刀を構え横にスイングして振れば周辺の竹は切断され倒れていく。私はすぐさま飛んで避難する。





「(柳生さんはこれくらいじゃやられん。)」



「……すごいね。僕が知っている情報だったら君は短刀使いの筈だ。それなのに癖が一個もなく手馴れている感じがする。力も強い。」




不意に柳生さんから聞こえる感嘆した声が自分に向けられているのだと分かった。あの竹林から逃げ出せたのだろう。ご自慢の素早さで。




「そりゃどーも。伊達にボディーガードやっとらんよ。」


「でも君の欠点は一つ。」


「?……っ!!」




柳生さんはまた木刀で突いてきた。反応が遅れたため頬を掠って少量の血が出た。




「スピードが足りない事だ。」
「……なるほど。でもアンタじゃ私に勝つことは無理や。」

「己の力を過信しすぎて満身創痍になるのは関心しないな。」

「事実や。」




至って普通に言えば柳生さんはこちらを睨んでくる。


来る……そう思った時視界が遮られた。新八さんにしては大きな背中だった。




ガキィィン!


木刀同士がぶつかったとは思えない音が鳴る。





「テメーらどこに行ったかと思えばこんな所にいやがったか。」

「土方さん!!」


「ひ、土方さん…?」



「ほぉ 今度はちゃんと護れたようだな。」


「あぁ 男の尊厳を削られたんだ。今度は俺がこの女の尊厳削ってやる。」






そういいならがら柳生さんの刀を受け止めたのはバチバチと綺麗な花火をくわえたボロボロの土方さんだった。




.

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運動系引きこもり(プロフ) - 無影灯さん» はじめまして!コメントありがとうございます!面白いと言うコメントを頂くとやっぱり嬉しいものです…。はいっこれからも頑張りますね!! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
無影灯(プロフ) - はじめまして、お疲れ様です!見やすくて、とても面白いです!これからも応援してます! (2020年3月12日 15時) (レス) id: 7a1223e495 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - 糸針シナさん» シナさんいつもありがとうございます引き継ぎが出来ました。ほんと、お礼したいですいつか。評価の方はこちらで頑張ってみます!ありがとうございました…!!シナさんも更新頑張ってください応援してます…! (2019年11月30日 16時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 評価ボタン押せるには押せますが見えませんね…、引き継ぎですが、こちらでできますよ〜!→ https://uranai.nosv.org/favcnt.php (2019年11月30日 16時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年11月30日 15時

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