第93訓 花より団子。団子より花。でも団子を喉に詰まらせるんじゃないよ ページ43
【Aside】
「おじいちゃーん。また来たでー。」
「おお…Aちゃん。お仕事は大丈夫なのかい?」
「のーぷろぶれむってやつや。」
「無理して言わんくてもいいよ。」
もはや何回目か分からなくなってきた。
数話前にも来たばっかりなのに、快く迎えてくれる。寧ろ仕事は大丈夫なのかと聞いてくれるおじいちゃん優しい。
「そういや、なんやら向こうの通りが騒がしかったけどなんかあったん?」
「ああ、あれかい?どうやら最近新しく“餡泥牝堕”っていう甘味処が出来たらしくてね。色んな星の甘味を味わえるらしいよ。」
「へぇー。」
「そのお向かいさんの団子屋“魂平糖”が嘆いとったよ。『四百年続いた店の閉め時かな』って。」
「………。」
それは悲しいな。その“魂平糖”って団子屋の団子食べとらんし。おじいちゃんは少し悲しそうな声で言ったが、顔は悲しそうでも何でもなかった。
おじいちゃんと魂平糖の旦那さんは同じ団子屋だから仲良くなったらしい。どっちが団子屋を繁盛させることが出来るか勝負を約束していたと言った。
「…じゃあ、なんでそんな平気そうにしとるのん?」
「なんでもね、“魂平糖”に常連さんがいるらしくてねぇ。今はなんとか首の皮一枚はつながっているとも言っていたからのぉ。」
常連さんがいればまだ大丈夫。店は潰れとらん。おじいちゃんは言った。
「どんなに経営が難しくなっても自分のやっている店にお客さんが来てくれるだけで嬉しいもんじゃ。それは彼奴も同じ事。」
「店経営したことないから分からんのぉ…。」
「そうかい。……さて、今日もいつもので……ん?」
「?どうしたんや、おじいちゃん。」
急におじいちゃんが黙り込んだ。その後にっこり笑って私を見た。
ジャリジャリ、と草履と地面の擦る音が聞こえる中、鈴の音と鼻をつん、とつくような煙の匂いがした。
すっと影がかかって見上げれば……
「Aちゃん、知り合いかい?」
「よォ。」
「…………………………………え"。」
そこにいたのは────……
第94訓 眼帯とかって絶対慣れるまで時間かかるよね→←第92訓 それは家族のような
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miraiwalk8(プロフ) - ありがとうございます!夜はぐっすり寝てくださいwこの紅桜篇でも楽しんでくれると幸いです! (2019年8月5日 2時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
ポンポネッラ(プロフ) - 遅くなりましたが続編おめでとうございます ! 2 作品目は紅桜篇ですか ! しかも高杉氏の「俺と来い」発言 ? ! 興奮して夜しか眠れません…… ! 次の更新も楽しみに待っております ! (2019年8月5日 0時) (レス) id: d2be23fc95 (このIDを非表示/違反報告)
miraiwalk8(プロフ) - 桜匁さん» ありがとうございます!!ほんと、コメントが嬉しすぎます…!ノロノロな更新速度ですが、今後ともご贔屓に宜しくお願い致します!!! (2019年8月4日 11時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
桜匁(プロフ) - 続編おめでとうございます! 今回は紅桜篇なのですね! また東雲さんのカッコいい姿が見られるかなーと今からでもワクワクしております! カブト狩りの回のお話も面白くて続きが今からでも楽しみです。 作者様のペースで頑張ってください。陰ながら応援しております。 (2019年8月4日 8時) (レス) id: 58c26fa576 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年8月3日 16時