兄弟に愛されて… (ページ31)

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-ほのかside-
それからLeeが現れることはなく私達は屋敷を逃げ出した。

未来「ほのか、大丈夫だったか？なにもされてないか？」

『…』

陽稀「ほのか？」

『えっ？あ、何？』

私は信じられなかった。自分が憎らしく思えた。大好きな人を…大切な人たちを苦しませるなんて…

星波「ほのか、大丈夫？さっきから様子が変だけど。」

『大丈夫…。なんでもないよ？』

陽稀「そっか。ならいいけど。」

そして無事家に帰ってきた。

未来「いっつ…」

星波「そういえばお兄ちゃん怪我してるんだよね。」

未来「大したことねぇよ。」

『…ごめんなさい…。ほんとに…』

未来「ほのか？あの時も言っただろ？もう大丈夫だから。」

陽稀「ほのか、未来がここまで言ってくれてるんならもう大丈夫だよ。」

星波「そうだよ。な？大丈夫だから。」

『なんで…なんでそんなに優しくするの…』

私の心はもう冷たくなっていた。いや、謝っても取り返しのつかないことをしたと思った。

未来「なんでって笑俺たちはほのかが戻ってきてくれただけで嬉しいんだよ？」

星波「そうだよ。ほのかが居なくて寂しかったんだからな？」

『そうじゃないよ…』

陽稀「えっ？」

『私は未来たちを…撃とうとしたんだよ！？
なのになんで。なんで。なんでそんなに優しくするの！？』

私は我慢できずに部屋に走った。

未来「ほのかっ！」

後ろから聞こえる未来の声。
でも私はその声に振り返らないまま部屋のベッドで泣き続けた。
三人と一緒に寝たベッド。
家に帰ってきた実感と未来たちの匂いであの時の記憶が蘇ってきた。