36話 ページ38
お線香の香りが鼻をかすめる。
「ねぇ、零。今日がなんの日か覚えてる?」
彼の好きだった青色をイメージして作ってもらった花束を供える。
「今日はね、私達の記念日だよ。毎年、盛大に祝ってたよね・・・。」
あれから毎年、零はたくさんごちそうを作って笑って、私にたくさんの愛の言葉を囁いてくれた。
「私の誕生日も仕事休みとってくれてさ・・・嬉しかったな。・・・ねぇ、あなたが一番気にしてたあの組織壊滅したんだよ?知ってた・・・っ?」
嗚咽が止まらない。
今日は零の命日。
そして、私達の記念日だ。
そんな日に去年、彼は命を落とした。
「ここに来る前ね、風見さんが来て教えてくれたの。終わりましたよって。やっと、終わりましたって・・・。」
彼はNOCだとバレて、組織の一員に殺された。
無念だっただろう、あんなに彼は頑張っていたのに・・・。
「私もね、前をそろそろ向こうと思うの。頑張るから・・・見ててね。・・・あっ。」
雪が降り始めた。・・・あの日のように。
彼と過ごした思い出の時間はとてもかけがえのない大切な時間。
心の中に優しく閉じ込める。
「もう帰るね、ばいばい。」
ゆっくり立ち上がって、背を向ける。
零「また会おうな。」
そう、彼の声が聞こえた気がした。
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降谷くんの嫁(プロフ) - 電車の中で読んじゃった。゚(゚´ω`゚)゚。 (2月12日 18時) (レス) @page39 id: 477f3f4110 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もなか | 作成日時:2023年11月13日 21時