運命の人に手が届かない (ページ32)

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　３０話ページ32

「零く〜ん！！」

　降「なんだ？・・・もしかして、それは・・・っ！」

仕事から帰ってきた零くんは、リビングにいる私をみて、ギョッとする。

「零くんも飲む？このお酒、美味しいよ？」

そう、私がリビングで広げていたのは、信じられないほどのお酒。

ちなみに今ゴクゴク飲んでいるのは、スコッチだ。

一回飲み始めちゃったら止まらなくなっちゃったんだよねぇ・・・。

美味しそうにお酒を飲む私に、零くんは深い溜め息をついた。

　降「あのなぁ！Aはお酒すごく弱かっただろ！？俺がいないときはやめておけとあれほど前に言い聞かせたのに覚えてないのか！！」

「うぅ・・・だって、もらっちゃったんだもん・・・。」

それは本当だった。

実は部下の友人のバーがつぶれてしまったから、たくさんあるこのお酒をどうにかしてくれないか、と仕事中に相談を受けたのだ。

もちろん少しためらった。

私がもらうべきなのか、この量を飲みきれるか、そんなことを悶々と考えた。

お酒は好きだ。

そう、お酒は好きなのだ。好きなものは仕方ない。

そして私はそのまま、お酒をもらって帰ってきた。

もちろん、もらったからには飲まなくちゃ！とこうして飲んでいるだけである。

零くんに説明すると、さっきよりもでっかいため息をついて、

　降「・・・わかった。俺もいっしょに飲もう。つまみを持ってくる。」

「やったぁああ！！！」

こうして私達は二人仲よくお酒を飲み、次の日、二日酔いでぶっ倒れました！

(風見「今度は二日酔い用の飲み物だぁ？ほんとに人使い荒いんだから・・・」)