運命の人に手が届かない (ページ29)

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　２９話ページ29

鍵「お前、最近たるんでるぞ？何かあったのか？」

あれから数日後・・・職場でミスばかり。

言えない・・・彼氏の悩みが知りたいだなんて、上司に絶対に言えない・・・！

あわあわしながらも、なんとなく返事をするが、余計に疑われるのだった。

　鍵「まぁ、別にいいが・・・。」

帰宅すると、降谷さんが料理を作っていた。

　降「おかえり。ご飯にするか？」

「はい、ありがとうございます。」

すると、降谷さんは渋い表情を浮かべる。

はて、何かしたかな・・・？

　降「・・・そろそろ辞めないか、敬語。」

あっ。

「そういえば、ずっと敬語でしたね・・・。」

降谷さんは照れくさそうにしながら言った。

　降「ちょっと距離がある感じがして、寂しいというか・・・。できれば下の名前で読んでくれないか？」

下の名前って・・・

「零さん？」

すると、降谷さんは持っていた食器を思いっきり床に叩きつけた。

「えっ！？何してるんですか？怪我は降「もう一度！」

顔を真っ赤にしながらもしっかり私を見つめていった。

　降「もう一度、呼んでくれないか？・・・下の名前で。」

「・・・零くん」

すると、降谷さんは幸せそうに笑って、

「A」

と私の名前を愛おしそうに呼んでくれた。