運命の人に手が届かない (ページ12)

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　１２話ページ12

目が覚めると、頭痛が走った。

・・・泣きすぎたかな。

鏡を見ると、目が腫れている。・・・最悪。

とりあえず冷やそうとキッチンに向かった。

　安「おはようございます。・・・これどうぞ。」

そう言ってすぐに保冷剤を渡してくれる安室さんはやっぱりかっこいい。

「昨日はすみません・・・あんまり記憶ないんですけど、大丈夫でしたか？」

そう聞くと、安室さんはにっこり、

　安「はい。車の中で眠ってしまっていたので部屋に連れて行かせてもらいました。声をかけるのも気が引けたので・・・あ、部屋に勝手に入ってしまったんですけど何もしてませんからね。」

安心してくださいと安室さんは笑った。

・・・ちょっとはなにかしてほしかったなんて思ってなんかない。

　鍵「目、すごい腫れてるな。冷やしたのか？」

「あ、はい・・・昨日色々あって・・・。」

鍵和田さんにもツッコまれた・・・。

実はさっきも色んな人に突っ込まれた。

恥ずかしい・・・シクシク。

思わず下を向くと、鍵和田さんは言った。

　鍵「まぁとにかく仕事でもたくさんやって忘れるんだな。腐る程仕事はあるから。今日は工藤新一の家に訪問する。」

聞き覚えのある名前・・・もしかして、工藤新一ってあの名探偵のこと？

工藤新一はとっても有名で、新聞などでよく見かけていた。

高校生なのにすごく頭が冴えていて、難事件を次々と解決していく・・・そんなイメージ。

あの子、米花町に住んでたんだ・・・なんか、あの頭の良さもこの犯罪都市のおかげで成長したのかな？

そんな事を考えていると、鍵和田さんは話を続けた。

　鍵「工藤新一の父親は小説家、母親は有名な女優だったそうだ。今はふたりとも海外にいて、工藤新一は一人暮らし・・・つまり、未成年が一人暮らしをしているということだ。しかも今、全く学校に通っていないらしい。一応、自宅を訪問してみろって言う案件だ。」

それでとにかく工藤新一の家に向かった。

「すみません！警察のものですが・・・工藤さんいらっしゃいますか？」

目の前には立派な家。これが工藤新一の家か・・・デカっ！

インターホンを押しながら言うと、男の人が出てきた。

メガネを掛けていて、なんか大学生くらいの・・・とにかく工藤新一ではないことはわかる。

怪しさマックスの男を見つめていると、奥から可愛らしい少年が出てきた。