異界奇譚怪奇心霊オカルト部 (ページ8)

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第１の怪邪教の集団　漆ページ8

聞きなれた声だ。誰だろう。この声、知っている。この声は、この声の正体は、隆さん。そうだ
、この声は、隆さん。まさか、ここに。

「だれですかぁ～。あなたたちはぁ～。」
「俺たちは。」
「今から貴様らを。」
「潰す者だ。」

はっきりと啖呵を切った。カッケ―。正直にそう思った。隆さんが周りを見た後、こっちのほうを見た。

「よく頑張ったな。」
「ヘっ、遅かったじゃんかよ。」
「応援を待ってたんだよ。」
「恭介君。大丈夫かね。」「あっ、隆さんの。」
「親父、部下は連れてきたよな。」「あぁ、こいつら逮捕するためにな。」

後ろを見れば、大勢の警官たちが待機していた。ん？待てよ。警察の人に頼まれたって事は、もしかしたら、隆さんの親父さんに頼まれたのか。それだとつじつまが合う。隆さんも意地が悪いなぁー。そう思っていると隆さんが叫んだ。

「抵抗すれば怪我をするぞ。おとなしく…。」
「殺っておしまい。」「まぁ、予想はしていたが。」
「よし、やるかぁ。」

俺は今、目の前の光景に唖然としている。隆さんと勝さん、こんなに強かったのか。勝さんは、見た目からしてガタイがガッチリしているからなんとなく分かるけど、隆さんは武術を使って倒している。飛び後ろ回し蹴り、飛び膝蹴り、かかと落とし、裏拳、ラリアット、背負い投げ、肘打ち、右フックを巧みに使って相手を倒している。見ていてほれぼれする。そう快感もある。俺は転がったまま、呆然と見ていた。結局、教祖と信者十数人が逮捕、行方不明者数人保護、こうして長い夜が終わった。本当に長かった。

「じゃあ、ちゃんと送ってこいよ。」
「親父も早く帰ってこいよ。」
「はっはっは、じゃな。」
「……。」「一緒に謝ってやるさ。」
「‥俺、結局足引っ張っちゃったし、俺、この部にいてもいいのかな。」
「いてもいいんだ。お前のおかげで、あれらを捕まえたんだ。感謝している。」
「でも。」「らしくないな。もっと胸を張れ。お前のお陰で、救える命が救えたんだ。もっと、堂々としていろ。お前は頑張った。」
「…アリガト。」

俺はそう言い帰路についた。親に叱られる覚悟をしていたが、その話題はそっちのけで、隆さんの話になった。

「あら、隆ちゃんじゃないのぉ。」
「どうもです。お袋さん。」
「昔見たく遊びに来ればいいのに。懐かしいわね。恭介がいつも世話になってごめんね。」
「俺にとっても、弟みたいなものなんで。それじゃ、おやすみなさい。」と言い隆さんは帰った