第2の怪 首吊り団地 駟(終) ページ13
ただ、もしその話の通りならこれからも犠牲者が出続ける事になる。となると、一つしかない選択肢が黒々とした口を開けて待っていた。
「俺達が何とかするしかないのか………。」
皆黙る。流石にこれは、首を突っ込むのは危険すぎる。だが、やらないとこれからも誰が犠牲になる。どうする、どうする、どうする。俺が頭を抱えていると、隆さんが「大丈夫。」と言ってきた。
「何が大丈夫なんだ?隆、これは俺達の手に余る件だ。何とかしないとというのは分かる。だが、結局のところ何かの解決策が………。」
「俺がやる。」
「え?隆さん、何か出来るの?」
「まぁ、俺が知ってる妖退治というのもあるんだぞ。まぁ、見てろ。明後日までにケリをつける。」
そう言うとスタスタ何処かに歩き去って行ったのだが、ここで疑問が生まれる。俺が出きる妖退治?明後日までにケリをつける?意味が分からない。どうやってケリをつけるつもりだ。三人で考えてみたが、勝副部長が「あっ!」と声を上げる。
「どうかしたんすか?」
「思い出した。」
「何を?」
「アイツの親戚、祓い屋だ。」
俺も「あっ。」と声を洩らした。確かにそうだった。あの人の家系というか家柄が霊もしくは妖怪と関わりがある家系だった。つまり、隆さんは、いつでも彼方側に行っていたのだ。何故今の今まで忘れていたのだろう。何で、思い出せなかったのだろう。そんなことより、あの人自信に自分の家の事をあまり話したがらないのだ。恐らくそれも相まって思い出せなかったのだろう。
「祓い屋は親戚でしょ。あの先輩、祓い屋の修行していたんですか?」
「どうだろうな。ただ、アイツの従兄弟に聞いた話なんだが………。」
「何ですか?」
「アイツのやり方は外法よりのやり方らしいが、実は俺もよく知らないんだ。ただ、効果は底面。」
副部長が誇らしげに話していたが詳細は不明なのだが、理由は聞かなかった。その日、夜、その団地のある一室から火の手が上がり、火事となった。親から部屋から出るなと言われていたが、何となく「あの人がやったな。」と思ったが、誰にも言わなかった。次の日、新聞に『火事の一室から謎の遺体発見?!UMAか?』という記事を見た。その日、学校で隆さんとすれ違ったが、ぼそりと呟いた言葉に戦慄した。
「やっぱ、怪異は燃やすに限るな。」
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夜行 - 大好きですよ。この作品。更新待ってます。応援しております。 (2016年8月19日 22時) (レス) id: cd7a83a97a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カニ x他1人 | 作成日時:2016年3月1日 22時