第1の怪 邪教の集団 壱 ページ2
今日も始まる普通の日常。普通の生活。普通の…。普通が一番って言う人もいるみたいだけど、俺は普通が嫌いだ。何もない、何事もない普通が、何も起きない普通が大嫌いだった。大嫌いだったはずだったんだ。でも今からすると、普通のあのころに戻りたい。普通に友達としゃべり、普通に勉強をして、そこそこの青春をして、普通に友達と遊んで…。どうして、何故こうなったんだ。俺は普通を、必要だったものを無くしてしまったんだ。何故こんなことになったんだ。俺はこれから、死んでしまうのか。夢を叶えることもなく、友達と遊ぶこともなく、家族と団らんを過ごすこともなく、こうして運命をあきらめてしまうのか。なぜ、こんなことに、思えばあれが全ての始まりだったのかもしれない。あれは数時間前、
「よう、恭介。」
「隆さん。」
「高校、馴染めてなさそうだな。」
「うん。」「退屈そうだな。」「うん。」
「普通は嫌いか?」
「俺ね、本当は、みんなとしゃべりたいんだ。みんなとくだらないこと言いあって、ちょっと喧嘩したりして、仲直りして、笑い合って。でも俺、出来ないんだ。普通が嫌いなくせにさ、当たり前なことが出来なくて、心苦しいんだ。苦しくてしょうがないんだ。みんなが出来ることを俺が出来ない。それが悔しくてさ。みんなが出来ていることが出来なくて、俺、俺…。」
俺はいつも思っていることを幼馴染で1つ年上の隆さんに全てを俺が思っていることをぶちまけた。隆さんは俺のくだらないこんな話を黙って聞いてくれた。昼休みの屋上で二人で相談をしている俺。訊いてくれる隆さん。涙が出てきた。普通が出来ない、ただそれだけ…。徐に隆さんが口を開く。
「お前、ちゃんと悩めてるじゃないか。」
「え?」
「悩むことも普通出来るもんだ。」
「…。」
「当たり前が出来ない…か。だったらよ、お前にしか出来ないことをやればいい。」
「俺にしか、出来ないこと…。」
「普通が出来ない。なら、自分の特性をちゃんと使えればいい。」
「…。」
「ちょっとついて来い。」
隆さんの後をついていきながら俺は思った。俺の特性、一体なんだろう。正義感が強い?いや、そんなことだったら、俺以外の奴も持っているはずだ。運動系?足は普通より速いだけ…。じゃあ一体なんだろう。俺が隆さんの後ろでそんなことを考えていると、「ついた。」と言って、とある部室に入っていった。
「いきなりで悪いが、恭介。」
「ん?」
「お前、オカルト部に入らないか。」
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夜行 - 大好きですよ。この作品。更新待ってます。応援しております。 (2016年8月19日 22時) (レス) id: cd7a83a97a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カニ x他1人 | 作成日時:2016年3月1日 22時